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ブラッド・ダイヤモンド

 よくぞここまで多くの政治的な素材を破綻することなく扱えたな、と感心する。しかもただ盛り込んだのではなく、素材によってストーリーを成り立たせている。

 巧いと思うのは、レオナルド・ディカプリオ演じるダイヤ密輸業者アーチャーを、旧ローデシア出身にしたことだ。つまり、肌は白いが彼も「アフリカ人」であり、「余所者」ではない。したがって作品内で扱われるアフリカのさまざまな問題は、彼にとって他人事ではないのだ。彼は第三世界の問題に首を突っ込むために文明圏からやってきたヒーローではなく、だからこそ終盤に向けての彼の「回心」(改心ではない)も説得力のあるものになる。

 ジェニファー・コネリーのアメリカ人ジャーナリストは、不正を暴くという使命感と、単に刺激を求めているだけの身勝手さという二つの行動原理を持っており、なかなか興味深い。しかし、彼女とディカプリオの役がこれだけ凝っているのに、ジャイモン・フンスーの漁師ソロモンが愚直なまでに純粋というのは、ややステレオタイプに過ぎる気がする。ま、そこまで言ったら贅沢か。

 最後の山場を前に、どれほど真摯であっても所詮「余所者」であるジャーナリストは退場し、後はアーチャー、ソロモン、反政府軍、アフリカ出身の白人たちを主要構成員とする傭兵組織という「アフリカ人同士」の物語となる。

 ディカプリオは『アビエイター』で編み出した「眉間に皺を寄せる」技術に磨きをかけ、どうにか童顔を克服することに成功している。てか、ディカプリオでかっこいいアクションを観られるとは思わんかった。ジェニファー・コネリー、すっぴんでもきれいだけど、なんだかデミ・ムーアに似てきちゃってるなあ。パンフレットの監督インタビューを読んだら、ジャイモン・フンスーをキャスティングした理由を「最近の出演作を観て、もっと複雑なキャラクターをやるべきだと思って選んだ」と語っていた……ごもっとも。『グラディエーター』の時は随分印象的だったが、『トゥームレイダー2』と『コンスタンティン』、出てたことにも気づかんかった。『アイランド』では民営軍事企業の戦闘指揮官役で、アフリカの内戦で家族を殺されてるという設定が取って付けられてたよな。

 以上、感想終わり。現在、『ラ・イストリア』はゲラ待ち。その間に登場人物リストと地図の作製。妹Ⅱにメキシコの白地図を用意してもらう。ここに手書きで地名を書き込んで、後は彼女(グラフィックデザイナーなのである)に作製してもらう。そう、今回の舞台はメキシコなのでした。『グアルディア』文庫版でも、妹Ⅱに地図の改訂版を作ってもらってます。『ミカイールの階梯』に向けては、引き続き調べ物。中断していたペルシア語とロシア語の学習も再開。

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