« メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 | トップページ | LA CALACA »

フリーダ

 ル・クレジオの『ディエゴとフリーダ』(新潮社)を読んで、なんとなく観たくなったのでDVDを借りる。それまで観なかったのは、監督が『タイタス』の人なんで、あんまり期待してなかったから。『タイタス』は出だしはよかったんだけどねえ。

 伝記映画というのは、往々にして散漫な内容になりがちだ。人ひとりの人生は、二時間前後に収めるには長すぎる。テーマを絞り、エピソードを切り出さないことには、どないもならん。この『フリーダ』も例に漏れず。確かにテーマは「ディエゴとフリーダの愛」に絞られてるんだけどね、出会いからフリーダの死までの30年ってのは、なんぼなんでも長すぎでしょ。せめて少女時代は回想にするべきだった。エピソードの選択や扱い方は巧いし、要所要所でフリーダの絵や残っている写真が活人画として使われている映像もよい。それでも、散漫さは免れていない。役者の演技も巧いし、音楽もいいのに埋没してしまっている。ある意味、勿体ない作品。2回に分けて放映する4時間ほどのTVドラマにしたほうがよかったんじゃないかと思う。いや、別に映画とTVドラマのどっちが上とかそういう問題ではなくて。フリーダの絵、そして先スペイン期でも植民地時代でも西部劇でもない、近過去のメキシコの都市の情景を眺めるには、手ごろな映像作品だと言える。

 メキシコという国、或いは「ディエゴとフリーダ」について、「事実」という表面的なものをすべて剥ぎ取った作品として、澤井健のコミック『LA CALACA』がある。というわけで、カテゴリー「鑑賞記」のほうに上げておきました(所持してるから、「思い出し」じゃないです)。

『アクロス・ザ・ユニバース』感想

|

« メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 | トップページ | LA CALACA »

思い出し鑑賞記」カテゴリの記事