カジノロワイヤル
007シリーズははショーン・コネリーとピアース・ブロスナンしか観たことないんだが、どちらも人工的で好きではない。特にブロスナンは気持ち悪くてな(セルフパロディ的な『パナマの仕立て屋』はよかったが)。ブロスナン版ボンドは、どうしようもなく時代遅れなキャラクターを扱いあぐねた挙句、醜悪な代物にしてしまっている感じだ。
さて、ダニエル・クレイグ版ボンドは、パロディにでもするしかない斯くも厄介なキャラクターを、妙な具合に等身大にすることに成功している。「成功」なのに「妙な具合」というのは、ジェームス・ボンドが等身大というのは明らかに妙な状況だからである。駆け出しという設定だから等身大にできている、というより、むしろその設定のお蔭で旧来のシリーズのファンも、「ボンドが等身大」という妙な現象を比較的すんなり受け入れられたのではないだろうか。つとに評判の悪い容姿も、私は一般に美形とされる男には興味がないんで問題ない。というか北欧系(アングロサクソンを含む)の男は、ああいう色素が薄くて爬虫類っぽい容姿であるのが一番望ましいので、実に結構なことである(東欧系も爬虫類っぽいのんが好きだが、黒髪のほうがいい。南欧系というかセム系も含めた地中海系は濃いいのんが好きだ)。「駆け出し」という安全装置を外しても、このまま等身大で行けるかどうか、次作に期待。
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