« ベスト・オブ・タンゴ | トップページ | スパイダーマン3 »

ブエノスアイレス

 タンゴを聴くようになったのはピアソラからで、ピアソラを知ったのはこのウォン・カーウァイ作品ということなので、なんとなく思い出し。もっとも、これ以前に『12モンキーズ』のテーマ「プンタデレステ組曲序曲」が非常に印象が強かったんだが、その時はピアソラを知らないばかりか、それがタンゴということすら判らなかったのでした。

 作品自体について。結構好き。なんかえらいブームになってるようやから観てみようか、くらいの気持ちで観た。「やり直す」ためにアルゼンチンにやってきたゲイカップルが、でも何か具体的な目的があるわけじゃないから相変わらず痴話喧嘩ばっかりしてる話で、そんなことで来られたらアルゼンチンも迷惑だろうよと思う。痴話喧嘩は笑える。でもそろそろ飽きてきたな、と思う頃には、爽やかな台湾青年チャン・チェンも登場するし。脚本無しで撮られた作品で、トニー・レオンはアルゼンチンに到着してから初めてゲイの役だと知らされた、というのは有名。それでも役者根性で頑張るトニー・レオン。役にのめり込んでます。彼のインタビューによると、後半のとあるシーンで監督に「テープレコーダーに何か適当な台詞を吹き込め」と指示されたので、台詞を考えて撮影に臨んだ。だがいざテープレコーダーのスイッチを入れた時、胸が詰まって啜り泣くだけだったという。

 技巧よりも感性、緻密な構成よりもアドリブを重視する……ああ、いたね、学生時代に、周りに大勢。そういうスタイルで佳作傑作が作られることは、もちろんある。上記のテープレコーダーのシーンは確かに素晴らしい。でもそのスタイルだと同じ作者でも作品ごとに当たり外れが大きいんだよねー。続いて『恋する惑星』と『天使の涙』をビデオ鑑賞して、がっかりというより、げんなりする。特に『天使の涙』はひどい。エキセントリックな人というのは傍迷惑だが本人もそれで苦労してるわけだし、と思うが、エキセントリックなのがかっこいいと思ってる手合いは最悪だ。というわけで、それ以来ウォン・カーウァイは観ていない。

|

« ベスト・オブ・タンゴ | トップページ | スパイダーマン3 »

思い出し鑑賞記」カテゴリの記事