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パットン大戦車軍団

 冒頭、巨大な星条旗をバックに、パットン将軍が大演説をぶつ。効果音なし、ほとんど動きもなしで数分間もたせるのもすごいが、「アメリカがなぜ敗北したことがないのか?」「それは我々が勝利を好む国民だからだ」「我々は伝統的に戦いを好む」といった台詞に(実際の演説に基づいているらしい)、制作者および主演のジョージ・C・スコットらにはいろいろ思うところがあっただろう(公開は1970年)。もちろん、現在に於いてもだ。で、この演説の次に来るのが、チュニジアでロンメルにボコボコにやられた米軍と、その死体を身ぐるみ剥いでるアラブ、というシーンである。

 到底20世紀の人間だとは思えない時代遅れの奇人を、否定も肯定もせずに描く。戦場のシーンは、荒野を粛々と進んでくるロンメル機甲兵団とか、終戦間際の強行軍とかはおもしろかったけど、シチリアやフランスでの快進撃は「はしょった」感がある。そういう演出だ、と言われればそうなんだけど。以下ネタバレ。戦争が終わり、用済みとなったパットンは解任された直後、荷車に轢かれかける。これは間もなく訪れる自動車事故による死を暗示しているともいえるし、自動車事故そのものを描いているともいえる。荷車の難を逃れた後、パットンは犬の散歩に行くのだが、その寂しい後姿は、もはや彼の人生が終わっていることを示している。

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