トランスフォーマー
元のあれについては、「そういうものがあった」という程度の認識しかない。すみません。しかし自動車から変形する「善いトランスフォーマー」たちの、いかにも超合金超合金した塗装には、何となしの懐かしさを覚える。
小ネタが満載なのは、スピルバーグなんだろうなあ。主人公の駄目高校生振りとか、その友人(おそらく唯一の友人)の駄目さを通り越した痛さとか、左前脚のギブスについてなんの説明も為されないチワワとか、中古車店の店主とその周辺とか。ああ、でも「日本製だ、日本製に決まってる」はマイケル・ベイが出したネタらしい。しかしアクションシーンになると、それらはきれいに消失してしまう。惜しげもなく投げっぱなし、というのはいいんだけど、バトルだけになる後半でも、もっと小ネタで引っ張れなかったものか。結果として緊張感がなくなったっていいからさ。どうせ、死体を映さないマイケル・ベイ印なんだし。
戦闘シーンだらけなのは、大いに結構である。でかくてゴチャゴチャしたものがガシガシ動くのを観るのは大好きだ。いや、でかいです。ゴチャゴチャしてます。ガシガシ動きます。しかしせっかくなんだから、もっとしっかり観たかったですよ。ゆっくりした動きでのクローズアップに耐えられない出来じゃなかろうに。それに、さすがにデザインが入り組みすぎて(駆動部が剥き出しであんなに激しく動いて大丈夫なんだろうかというのはともかく)、悪いトランスフォーマーにボコボコにされているのに、いまいちやられ加減が判らない。損傷したのか、元からそういうデザインなのか判別できないのだ。
という具合に不満もありましたが、それは主に「せっかくええもん(豊富な小ネタ、でかくてゴチャゴチャしてガシガシ動くロボット)持ってるのにもったいない」ということであって、概ね結構な作品でした。父と妹Ⅱも大いに満足したようです。しかしエンドクレジットが始まって、ふと周囲を見回したら、すぐ近くの席の人が爆睡していました。よくあんな爆音の中で眠れるものだな。よっぽど退屈だったんだろうなあ。
ところでジョン・タトゥーロは久し振り。主演監督作の『天井桟敷のみだらな人々』のナルシスト振りに呆れ果て、『オー・ブラザー』と『耳に残るは君の歌声』でも凡庸さにがっかりさせられたが、久し振りに本領発揮というか新境地というか(よもやタトゥーロのガンアクションが見られるとは)。
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