« イルスの竪琴 | トップページ | 変わり映えのしない日々 »

ペルシャ文明展

 大阪歴史博物館。チラシによると、ペルシャ文明に関する「本格的な展覧会」は半世紀振りなんだそうだが、むしろ半世紀も前にそんな(具体的にどんなんだったかは知らないが)展覧会があったことのほうが驚きである。半世紀前っていったら、日本ではようやく高度成長期に入ったか入らないかの頃だし、イランはイランでまだ王政で、かなり政情不安定だったんじゃないか?

 展示物は約200点。夏休みだから小学生が何人も来てたな。土器や彫刻は動物の意匠が多く、写実と抽象を巧く組み合わせたデザインなので、子供が見てもおもしろかったんじゃないかと思う。実際、女の子たちは「かわいい」と喜んでいた。しかし金銀製品が全然見当たらないな、時代ごとに展示されているはずなのにアケメネス朝の黄金の角杯はどうした、と思っていたら、金銀は出口近くにまとめられていた。確かにこういうものはまとめて見たほうが壮観だし、土器や青銅器と一緒に展示しておくと、参観者は金銀ばっかり見て、地味なものは素通りしてまうからなあ。

 こういう歴史系の展覧会で呼び物となる展示物は、「黄金」と「ミイラ」だ。だから金製品もしくはミイラが数点しかない展覧会であっても、それを強調する(ミイラの場合は、一点だけでも人を呼べる)。純金じゃなくて鍍金とか合金、それに金箔なみに薄く延ばされた製品しかなくても「黄金の○○展」とか平気でやるよな。今回は貨幣や印章等のごく小さなものを除けば金銀製品は20数点で1割強だから、まあ多いほうか。

 貨幣もアケメネス朝からササン朝まで、まとめて展示されていた。銀貨が大半。アケメネス朝の銀貨が、小さくて歪なので驚く。歪んだ楕円形で、長いほうの径でも2センチあるかないかといった程度。ササン朝に入ると完全な円で径3センチ前後になるが、それでも「小さい」という印象は拭えない。これは私が学生時代、シルクロードの服飾文化研究でササン朝銀貨の人物像を参照にする時、拡大写真でしか見ていないからだろう(拡大写真は、この「ペルシャ文明展」でも一緒に展示されていた)。当時、銀貨の実物は、ある展覧会で展示されていた数点しか見たことがなかったし。図版にばかり頼ってると、こういう点が危険なんだよな。特に私は、数字でサイズを示されても、具体的な大きさをイメージする能力が低いから。やっぱ実物は見なあかん。

 あと、ラピスラズリ製品の中には、ひどく色褪せているものもあったのが意外でした。ラピスラズリって、変色・退色しないから貴重(特に顔料として)だったんじゃないのか。

 大阪歴史博物館は二度目。谷町四丁目で下りればすぐなんだが、私は方向音痴のくせに街中を歩くのが好きなので、二度とも天満橋で下りて歩く。二度とも迷わずに到着できたんだが、前回どこをどう通って移動したのか、ほとんど憶えていないことが判明した。あれー? 今回も前回も、途中で何度も地図を確認しながらの移動だったんだよな。というわけで、三度目も無事に辿り着けるという保証はありません。

|

« イルスの竪琴 | トップページ | 変わり映えのしない日々 »

鑑賞記」カテゴリの記事