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めくるめく七日間

 山じゃなくて、ウィークリー・マンションに籠っていたのでした。電話もネットも繋がらない環境だったので(携帯電話は持ってない)、山にいたのも同然でしたけど。眉毛を剃ったというのも嘘です。金属アレルギーなので、剃刀の類は使えません。空手バカ一代も、実はよく知りません。

 どうにもこうにも筆が進まなくて、自分でも原因がわからなくて、やはり独りになれない環境がよくないんじゃないか、でも家族と同居はデビュー前の02年からで、以来『ラ・イストリア』までは書いてこれたじゃないか、本当に書けなくなってしまった事実を認められなくて責任転嫁をしたいだけなんじゃないか、とにかくゴチャゴチャ考えとらんと試しに一週間、独りになってみよう――と思い立ったのが6月末でした。

 これで書けないようだったら私はもうお終いだ、とまで思い詰めていて、しかしとりあえず一週間の退避を決めてから、それだけでストレスが軽減したらしく、かなり(それまでに比べれば)筆が進むようになっていたので、たぶんいけるだろう、とも思っていました。で、実際、部屋に着いて、荷物を解いて、ノートパソコンに向かった途端、

 すげー、何これ、嘘? 嘘みたいに進む? 今までの難渋が嘘? しかも長時間集中が途切れないし疲れない。というわけで、一週間書き続けてきました。肩凝りと腰痛は腕立て伏せとスクワットでしのぎ、六泊のうち二回しか外に出なかったし(ゴミ捨てを除く)、TVも点けなかった。本当に、夢のように幸せな七日間でした。

 ああ、やっぱり家族と同居が原因だったのか。いくら日中は独りでも、すべてを忘れて書き続けることができなくて、それがストレスになってたんか。

 いや、家族とは仲がいいです。しかしこういうのはやはり、折り合いとは別の次元の問題なのです。五年間はどうにかやってこられたのですが、その間ストレスが蓄積していって、気が付かないうちに限界を超えていたようです。薄々そうじゃないかなあと思っていて、でも独り暮らしするだけの経済的余裕がないので(まず引越し資金がない)、金が溜まるまで我慢して書き続けようと思っていたのですが、もう我慢していては書くことができなくなっていたのでした。

 とりあえず何が問題だったのか解明されたし(何がストレスになってたのか、そしてストレスは耐え忍ぶのではなく、解消するか回避するかしかないということ)、どうやら「ストレスを回避できる」ということが解っただけでストレスが軽減して、家でもそこそこ書き続けられるようになったらしいので、まあこれからも時々プチ家出をしながら、頑張って書いていきます。いや、これだけ書き進んで、まだ「めどが付いた」と言えないところが申し訳ないんですが。

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