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アンダーグラウンド

 エミール・クストリッツァ監督作品。制作は1995年。97年か98年にビデオ鑑賞したんだが、どこでどんな情報を仕入れて手を出す気になったのか、さっぱり思い出せん。

 50年以上にわたるユーゴスラビアの現代史を描いた一大叙事詩……なのは間違いないんだが、それをスラップスティックかつ幻想的な手法で行っている。これは、マジックリアリズムと呼んでしまっていいんじゃないかな。マジックリアリズムは、何もラテンアメリカの専売特許ではない。東欧的(バルカン的)マジックリアリズムとでも言おうか。そして、ラテンアメリカの「現実」がマジックリアリズムでなければ描けなかったように、ユーゴスラビアの「現実」もこれ以外に描き出す手段がなかったのだ。内戦前に制作された『パパは出張中!』と比較してみれば、その違いは明らかである。

 ラストシーン、あれは、彼らの「国」は地上のどこにも存在しえない、ということなんだろうなあ、と思ったら泣けた。つっても涙が滲んだ程度だけど。

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