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リトル・ミス・サンシャイン

 一応、家族ロードムービーということになるんだろうけど、間違ってもレンタルショップで「ホーム・コメディ」の棚には置かないでほしい。コメディなのも間違いないんだけど。

 アリゾナからテキサスへと向かう家族を、次から次へと災難が襲う。そして、大概の映画では一発逆転となるところを、まったく何一つ解決しない。でも解決はしなくたって、なんとかやっていけるものなんだよね。それにしても、まさかああいうオチになるとは。ていうか、まさかあんな形で子供のミス・コンを風刺するとは。

 あのコンテストは実在のものに基づいているんだろうけど、アメリカはジョンベネ事件から何も学んでいないらしいな。映画ではそれと思われる描写はなかったが、実際の会場はペドフィルの巣窟になっていそうな気がするなあ(そうじゃないかと思える登場人物もいたんだが、結局違った。そうすると彼が会場にいた理由がよくわからないんだが)。

 しかし、オリーヴちゃんはアリゾナでの予選で一位の子が失格になったから繰り上げ、ということだったんだが、それはつまり二位にはなれてたということなんだよね。
 オリーヴ役のアビゲイル・ブレスリンは、調べたら『幸せのレシピ』でキャサリン・ゼタ・ジョーンズの姪役だった。二ヶ月ほど前に観たばかりなのに、全然気が付かなかったよ。『幸せのレシピ』の制作は『ミス・サンシャイン』のすぐ後だけど、ずいぶん大人びて見えた。巧かったけど、『ミス・サンシャイン』に比べて印象薄かったな。役自体のインパクトの差なんだろうけどさ。

 長男役は、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でダニエル・デイ・ルイス相手に健闘していたポール・ダノ。牧師役では、好青年ぽい笑顔の下からネバネバしたものが滲み出てる気持ち悪さを怪演していた。今回はなんとなくネバっとして気持ち悪いが、それはせいぜい新陳代謝の高い若い子が、ちょっと入浴をさぼり気味なので髪の毛がべたついてます、という程度である。若いから仕方ないね、という程度。でも『ゼア・ウィル』まで、それほど間が開いてるわけじゃないんだよね。
 つまり、あの粘着質な気持ち悪さはポール・ダノ本人の資質なんだろうけど、かなり自在にコントロールできているわけだ。先が楽しみな役者である。下手したら、役柄が限定されてしまいそうでもあるけど。

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