屋久島旅行
二泊三日で家族と屋久島へ行く。父、母、妹Ⅰ、妹Ⅱ、姪(妹Ⅰの娘。今回はパパは欠席)。
『ミカイールの階梯』の脱稿が近付いた2月頃から、ゴールデンウィークに家族旅行をしようと、皆で計画していたのであった。当初、海外へ行きたいという希望だったが、予算の問題で見送り。しかし「とにかく海外」ということで、屋久島が目的地と定まったのである。
飛行機で鹿児島へ。そこからすぐに港へ行き、屋久島へ渡る。普通の船ではなく、ジェットフォイルという高速船で。速いし揺れないが、航行中は甲板に出ることはもちろん、船内を歩き回ることもできないのでつまらん。船酔いする人にはいいだろうけど。
5歳の姪は前日(私の家に泊まった)から興奮しっぱなしで、生まれて初めて乗った飛行機はもちろん、船の中でもずっと喋り続けていた。
その日は宿へ着いたらすでに夕方で、温泉に入った後、皆で屋上で鬼ごっこをし、夕食を食べただけで終わる。
夜、ゲラの見直しをやってる夢を見る(まだ残っていたのである)。常日頃、執筆中やゲラ作業中は始終うーうー唸ってるのだが、朝起きたら妹たちに、「夜中唸っててうるさかった」と言われる……
二日目は島一周ドライヴとハイキング。縄文杉へは10時間のトレッキングコースなので、当然諦める。ハイキングは30分コースだが、入り口まで山道を車で登っていく過程で、猿や鹿に遭遇。やはり離島の固有種だからなのか、本土のものより小型である。鹿はすぐ逃げてしまうのであまりはっきり見ることができなかったが、猿は道路の真ん中で堂々と毛繕いしているので、じっくり観察できた。小さい上に体毛も長くてきれいな灰色なので、とても可愛い。
もっとも、猿も鹿も珍しがっていたのは最初だけで、一日ドライヴしている間に飽きるほど見ることになるのだが。普通に民家のある集落でも奴らを目撃する。やはり農作物への被害は深刻らしく、柵で囲って電流を流してある畑をしばしば見かけた。
30分の山歩きでは、町育ちの姪は最初こそ木の洞を見つけては「妖精のおうちだー」などと喜んでいたが、十分ほどもすると森の薄暗さと木々の巨大さに怯えてぐずり始める。
「怖いものなんか何もいないよ、いるとしたら優しい妖精だけだよ」と言い聞かせても、「それでもやだ」と私にしがみついて離れない。ママはデジカメ係だったので、しがみついてはいけないと判断できるだけの余裕はあったということである。なんだかんだ言いつつ、泣きはしなかったしな。
姪が喜んだのは、海岸での貝殻とガラス拾いだった。屋久島の浜は狭くて石ころだらけで、貝殻は欠片ばかり、ガラスはあまり磨かれていないものばかりだったが、それでも満足だったようだ。
しかし旅の終わりに、「何が一番楽しかった?」と尋ねられた姪の答えは、「鬼ごっこ」であった。それは屋久島じゃなくてもできるよね。まあそんなものだ。
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