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シューテム・アップ

 映画の感想を書く際、ほぼ必ず俳優の容姿について言及しているような気がする。見た目は重要である。で、とにかく顔が嫌い、という役者がいて、かねてよりメル・ギブソン(理由:でかいから)とトム・ハンクス(理由:ゴムのお面みたいで気持ち悪い)の両人であったのだが、近年、クライヴ・オーウェンが加わった。

 メル・ギブソンは『ブレイブ・ハート』以来、顔、演技ともに見るのも嫌だが、トム・ハンクスのほうは演技はそれほど嫌いではない。なので、テレビ画面で見る分には耐えられるし、髭付きだった『レディ・キラーズ』では、トム・ハンクスに見えなかったので大画面でも平気であった(役柄自体もトム・ハンクスらしくなく、大いに結構であった)。

 さて、クライヴ・オーウェンなんだが、なんか知らんがあの顔を見るとイラつく。たぶん、全体的にしけたツラしてんのに、唇が妙にムニっとしてるのがイラつくのであろう。
 しかしこの『シューテム・アップ』は、「クライヴ・オーウェンにしては良い」という評判を聞いたのと、何よりモニカ・ベルッチが出ているために観てみたのである。

 感想:しけたツラを活かしたしけた雰囲気でアクションをこなすクライヴ・オーウェンは、確かになかなかよかった。使いどころがよかったのであろう。
 何より、作品そのもののテンポがいい。「その場にある物をなんでも使うアクション」は香港映画っぽいと思ったら、監督はジョン・ウーのファンだそうである。

 プロットは単純だが、ポール・ジアマッティ演じる敵(元FBIのプロファイラー)が探り出したクライヴ・オーウェンの湿っぽい過去が、当たってるのかどうか最後まで不明のままだったりと、以外に細かいところに気が配られている(「細かいところまで」ではないけどな)。

 モニカ・ベルッチ(『映画秘宝』に倣って「ベルッチ様」と呼びたい)は、さすがに少々フェイスラインが崩れてきており、そのため「場末の娼婦」役が似合っている。少し前までだったら、綺麗すぎたからね。いつもよりイタリア訛りが強めで、それも素敵でございました。

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