変異体
シリーズの共通設定。文明崩壊後、特異な外見・能力を持つ個体を十把一絡げにして「正常」から差別する呼称。
敢えて本来の定義を求めるなら、ウイルスや汚染(化学物質や放射能等)による遺伝子変異、および遺伝子改造を受けた個体とその子孫、といったところか。旧時代の知識が失われるとともに、先天性、後天性を問わず、少しでも「正常」から外れた個体はすべてそう呼ばれるようになった。
しかし、大災厄から数世紀たったのちも、環境の汚染は根深く、また生物の遺伝子もひどく傷ついている。そんな状態で、表面的には「正常」である個体もまた、「変異」しているといえる(環境汚染に対し、耐性を高める遺伝子改造が行われた記録も残っている。『グアルディア』のアンデス赤道地帯に住む放射能耐性のある人々など)。
『ラ・イストリア』の時代には、まだ変異体の呼称はないが、すでにそれに相当する概念は生まれており、障害者は排斥され、変異を「うつされる」恐怖から第二次南北アメリカ戦争が勃発する。
ルビは「ミューテイション」(mutation 英語)、「ムタシオン」(mutacion スペイン語)、「ミュタション」(mutation フランス語)、「ムータント」(мутант ロシア語)など。
遺伝、形質等の概念が失われた(もしくは否定されている)社会では、当然「変異体」の呼称は用いられない。『ミカイールの階梯』のマフディ教団領やステップでは、変異体に該当する「逸脱したもの」たちの呼び名は「妖魔/ジン」である。
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