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バルジ大作戦

 1944年12月、アルデンヌに於けるドイツ最後の大攻勢(失敗)。

 1965年のヘンリー・フォンダ主演作なんだが、主演といっても群像劇なのでそれほど目立たない。そして群像劇としても成功していない。チャールズ・ブロンソンでさえ、顔がごついという以外に全然目立っていないのだ。『パットン大戦車軍団』のわずか5年前に作られたとは思えないほど古めかしい凡庸な大作。
 しかしこれは、戦車が主役の映画なのであった。

 いやあ、画面上でこんなにいっぱいの戦車が動いてるのは初めて見ました。もちろん本物のティーガーではなく、本物のパットン戦車。それが大軍で森や荒野や川を乗り越え、木々を薙ぎ倒し、米軍歩兵も薙ぎ倒し、家屋を粉砕し、シャーマン戦車も粉砕する。
 ティーガーⅡ重戦車とシャーマン中戦車の戦場での性能差がどれくらいなのか実は知らないんだけど、明らかに同時代の旧型vs新型というよりは、1965年からタイムスリップしてきた戦車が1944年の戦車と歩兵をボコってるようにしか見えませんでした。しかも圧倒的多数で。弱いもの苛め。

 なんでもいいから、とにかく戦車が破壊の限りを尽くしているところを観たい、という人にはお勧めです。

「フューリー」感想

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