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参考文献録

『マニ教と東洋の諸宗教――比較宗教学論選』 矢吹慶輝 佼成出版社 1988 (「ペルシア」)
 えーと、解説によると、著者は1879年生、1939年没の浄土宗僧侶。所収の論文は1926年から1940年に掛けて発表されたもので、刊行にあたって旧かな旧字を改訂。
 二部に分かれ、第一部「マニ教とは何か」はまあいいとして、第二部「東洋の諸宗教」は僧侶だけあって、ほとんど仏教史に占められている。第一部にしても、古いものだけあって、あんまり参考にはならない。全然ならないわけではなく、少々メモを取る。それに10世紀のイスラム史料の抄訳まで付いている。

『中国における回教の傳來とその弘通』 田坂興道 東洋文庫 1964 (「東西交渉」)
 1957年に没した著者の遺稿集。旧かな旧字。引用してある漢文は白文である(句読点はあるが)。「東洋文庫刊」といっても平凡社東洋文庫ではなく、奥付を見ると代表者は「榎一雄」であり、「非賣品」とのことである。
 上下巻で総頁数は1700頁もあるが、上巻四分の三から後は元代以降についてなんで必要ない。『マニ教と東洋の諸宗教』と同様、古い内容ではあるんだけど、まあちょこちょことは参考になる。特に、漢籍史料の詳細な検討は最近の論文では省略されてることが多いからな。
 こうした先達たちの努力のお蔭で日本のイスラム学、シルクロード学の現在があるわけで、実にありがたいことである。

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