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参考文献録

『イスラムの蔭に』 前嶋信次 河出書房新社 1975 (「イスラム文化」)
 10世紀のイスラムの民衆生活誌、ということで、前半がバグダード、後半がコルドバ。8世紀のイスラム生活誌を専門に扱った本がないので、10世紀でもないよりはマシだと読んでみる。前半のバグダードはおもしろかったが、後半のコルドバはおもんなかった。単に興味の有無の差だろう。

 それにしても10-11世紀のアラブ・イスラム世界は西も東でガタガタだったんだな。中国の王朝も末期は大概だが、それを上回るえげつなさ。

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『シナ・インド物語』 藤本勝次・訳 関西大学出版広報部 1976 (「東西交渉」)
 再読。前回読んだのは6年前の今頃だっけか。

 原題は「アフバール・アル・スィーン・ワ・アル・ヒンド」で「中国とインドの情報」といった意味。内容は第1巻と第2巻に分かれていて、第1巻は書かれた年代はヒジュラ暦237年(851年7月~852年6月)だが著者は不明(冒頭部分が失われているため)、第2巻は書かれた年代は不明だが著者はシーラーフのアブー・ザイド・アル・ハサンということが判っている。
 第2巻の序言によると、アブー・ザイドは誰かから『シナ・インド物語』第1巻の内容を検討するよう命じられたという。新たな情報に基づき、彼が記したのが第2巻である。『黄金牧場』の著者マスウーディーは915-916年にこのアブー・ザイドとバスラで会い、情報の聞き取りをしているので、第2巻が書かれた年代はこの頃と推定される。

 同じく10世紀の南洋貿易に関する記録だが荒唐無稽な話ばかりの『インドの不思議』よりは史料的価値が高いとされる。
 おもしろいネタを片っ端からノートに取る。

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