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参考文献録

『アラビアンナイト博物館』 西尾哲夫・責任編集 東方出版 2004
 2004年、ガラン版『千一夜』出版300周年記念として開催された「アラビアンナイト大博覧会」(主催:国立民族博物館)の図録。
 アラビアンナイトの挿絵(レオン・カレ、エドマンド・デュラック、アーサー・ラッカム等の著名な画家から無名画家まで)、中東の衣装や楽器、アラビアンナイトを題材にした映画のポスターなど、大量の図版を収録している。

 アラビアンナイトを題材にした日本の漫画も何点か掲載されてるが、探せばもっとありそうな気もするけどな。山本貴嗣の『シンバッド』もないし(『日本人の中東発見』では紹介されてたのにな)。
 最も大きく取り上げられてたのが長谷川哲也の『アラビアンナイト』だった。キャラクターのデザインがナポレオンのあれと全然違ってアニメ絵なんでちょっと驚いた……。

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『図説 アラビアンナイト』 西尾哲夫 河出書房新社 2004 (「イスラム文化」)
 本文100頁強のブックレット。千夜一夜から20話余りをダイジェストで紹介。19世紀~20世紀前半のアラビアンナイトの挿絵付き。「都市の生活」「アラジン・ミステリー」「アラビアンナイトとユダヤ人」等のコラムは、上の『アラビアンナイト博物館』よりも読み応えがある。

 ところで、千夜一夜中最も有名な話の一つ「アラジンと魔法のランプ」は、アントワーヌ・ガランがシリアのキリスト教徒修道僧ハンナ・ディヤーブなる人物から語り聞かされた物語で、原典となるべき写本の類は存在せず、類似した物語も見つかっていない。ガランまたはディヤーブの創作とも言われているが、真相は不明である。
 この「ハンナ・ディヤーブ」については、ほとんどのアラビアンナイト関係の本では、単に「シリアのキリスト教徒(マロン派)修道僧」としているだけであるが、一部の著者は女性だと見做している。ボルヘスもその一人である。
 が、本書によるとハンナ・ディヤーブは男性だそうである。「ハンナ」は女性名じゃないってことやね。

 ロバート・アーウィンの『アラビアン・ナイト必携』は大変解り易くおもしろい内容だが、残念ながら図版が少ない。邦訳者である西尾氏による『アラビアンナイト博物館』と『図説 アラビアンナイト』は図版が豊富で『アラビアン・ナイト必携』と併せて読めば完璧。

『アラビアン・ナイト必携』感想

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