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参考文献録

『盲目の梟』 サーデク・ヘダーヤト 中村公則・訳 白水社 1983
 著者名がサーデ「ク」なのは、本書の表記どおり(サーデ「グ」のほうが原音に近い)。

 今回、資料として読んでる小説は、「過去の中国~中東とその周辺世界、もしくはそれをイメージした架空の世界を舞台とした、東アジア人(日本や中国など)以外の著者による」という条件で選んでいるんだが、ネットその他で得られる情報では、舞台となる場所や時代がどこのものか判らないものも少なくない。
 そういうわけで、本書はいずれも著者と同時代(1930~40年代)のイラン、インド、フランスを舞台としており、「外れ」だったわけだが、分類がめんどくさいので参考文献の一つに数えておく。
「変わった女」「こわれた鏡」「ラーレ」「ハージー・モラード」「サンピンゲ」「赦しを求めて」「野良犬」「三滴の血」「ダーシュ・アーコル」が短篇。「盲目の梟」が中篇。

 これでヘダーヤトの邦訳は3冊全部読んだことになるが、おもしろさは『サーデグ・ヘダーヤト短篇集』<『盲目の梟』<『生埋め』の順だな。
『短篇集』と『生埋め』の石井啓一郎氏の訳に比べて、中村公則氏の訳は少々古く感じた。まあ読んでるうちに慣れたけど。「盲目の梟」では一人称を「私」「俺」「僕」と明らかに意図的に使い分けてるのに、「変わった女」では「私」と「僕」の両方が無頓着に使われてるのが気になると言えば気になった。いや、一人称の使い分けにこだわるのは、キャラクター小説に毒されてるからなんだろうけど。

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