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参考文献録

「ソグド語資料から見たソグド人の活動」 吉田豊 (『岩波講座世界歴史11 中央ユーラシアの統合』1997) (「中央アジア中世」)
 9-16世紀をカバーする本の中で、なぜかこの論文だけは8世紀以前のソグド語文書(それより後代のものも含むが)を扱っている。
 ソグド語文書についての論考は多いが、本稿は他とは異なる観点、特に人名について紙幅を割いているので大変ありがたい。

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「古代ピャンジケント」 A・Y・ヤクボーフスキー (『西域の秘宝を求めて――埋もれていたシルクロード』 加藤九祚・訳 新時代社 1969) (「中央アジア中世」)
 本書所収の他の論文は以下のとおり。「バジリク古墳の秘宝」(S・J・ルデンコ)、「スキタイのネアポリ」(P・N・シュリツ、A・V・ゴロフキ)、「古代ホレズム」(S・P・トルストーフ)、「古代文化の宝蔵――アフラシアブ」(V・A・シシュキン)、「ソグディアナからの手紙」(I・Y・クラチコフスキー)
 すべて旧ソ連での刊行。「古代文化の宝蔵」の原著はСокровищница Древней культуры(「古代文化の宝蔵」)、1966年刊。「ソグディアナからの手紙」は著者クラチコフスキーの回想録『アラビア写本とともに』(原題、刊行年の記載なし。1951年?)中の一章。他の四編(「古代ピャンジケント」含む)はすべてПо Следам Древних культур(『古代文化の跡を求めて』1951年刊)所収。 

 本書全体に共通していることだが、「ブルジョワ史学」批判とか、封建制批判とか、外国(ペルシアとか中国とか)からの影響の否定とか(外国の影響を主張するのは「ブルジョワ史学」である。ソ連の歴史学者は、ソ連邦内の文化が外部に影響を与えたと主張するのである)、微妙に痛痒いネタがちりばめられている。
 この「古代ピャンジケント」が一番分量が多くて約100頁。ところどころに挟み込まれる上記の痛痒いお題目を除けば有益な情報が多いが、特に発掘調査で得られた情報など、込み入った記述になると意味が取りにくい。翻訳の問題だが。

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