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参考文献録

『ジハードの町タルスース――イスラーム世界とキリスト教世界の狭間』 太田敬子 刀水書房 2009 (「イスラム文化」)
 タルスースはアナトリアの南東の付け根辺りに位置する町で、パウロの出身地タルソとして聖書にも登場するそうである。7世紀後半にイスラム軍によって破壊され、廃墟となったが、8世紀末にイスラムの対ビザンツ拠点の軍事都市として再建された。

 イスラムについて、通史は創始期から9世紀前半くらいまで、文化史はもう少し後まで、結構勉強してきたつもりだが、次作に直接関係する東側に重点を置いてきて、西側に関してはかなりおざなりだった。本書を読んでも、「トゥールーン朝って、何?」という状態。wikiによると、868-905年にエジプト・シリアを支配した、トルコ系軍人によって建てられた王朝だそうです。
 後ウマイヤ朝やイドリース朝、ファーティマ朝と違って、創始者がアッバース朝に迫害されたわけじゃないし、建前では最後までアッバース朝カリフを宗主と仰いでたし、何より四十年足らずしか続いてないから、概説書レベルではほとんど言及されてなかったから見落としてたんだろう。そういうことにしておこう。

 8世紀末~10世紀後半の対ビザンツ軍事都市なんて対象外なわけだが、「初期イスラム帝国にとっての辺境」という括りで、東の辺境であったマーワラーアンナフルとか、その他役に立つ情報が得られるかもしらんなあと思って読んでみたのであった→期待はずれ。
 本文140頁の分量じゃ仕方ない。とりあえず参考文献を1冊拾い、10世紀の年代記からの引用をメモする。どのファイルに分類すべきか迷ったが、「イスラム文化」に入れておく。

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