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参考文献録

『アラビアの医術』 前嶋信次 中公新書 1965 (「前近代科学・錬金術」)
 クルアーンやハディースにある病気や医療に関する記事から始まって、アッバース朝を中心に15世紀くらいまでの概説。10世紀くらいまでをノートに取る。

『ペルシアの伝統技術――風土・歴史・職人』 ハンス・E・ヴルフ 原隆一/禿仁志/山内和也/深見和子・訳 平凡社 2001(1966) (「前近代科学・錬金術」)
The traditional crafts of Persia: their development, technology, and influence on eastern and western civilizations
 著者がイランで調査を始めたのは1930年代後半。第二次大戦によって41年にいったん中断、15年後に調査を再開し、1966年に出版された。
 第一章「金属工芸技術」、第二章「木工技術」、第三章「建築技術と製陶技術」、第四章「織物技術と皮革技術」、第五章「農業と食糧加工技術」

 こういう本の邦訳が出ているのは、たいへんありがたいことである。「風土・歴史・職人」という副題どおり、各技術について、気候条件から歴史、調査当時の状況までが述べられている。
 専門的過ぎて参考にならない情報も多いが、染料とか木材の種類の一覧、陶器、タイル、装飾積み煉瓦など、イスラム工芸(建築)でお馴染みの技術がサーサーン朝時代には発達していなかった、等の記事は役に立つ。
 ただし、アッバース朝カリフを「イラン系」と平気で書いていたり(政権獲得以前のアッバース家はシーア派だったので、シーア派=イラン系と思い込んだのかもしれない)、タラス河畔の戦いの原因についても間違ってる上に、「アラブの年代記で立証されうるし、中国の年代記でも裏づけられる」と自信を持って断言してたりするので、いやはや他の内容についても果たしてどこまで信用したものか。

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