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参考文献録

『グノーシス――古代キリスト教の「異端思想」』 筒井賢治 講談社選書メチエ 2004 (「ペルシア」)
 イスラムの異端についての論考で参考文献として挙げられたのが本書なんだが、副題にもあるとおり、あくまで「古代キリスト教」に関係したグノーシス思想を論じた本なので、イスラムとの関係にはこれっぽっちも触れていない。
 せめて、マニ教との関係についてだけでも知りたかったんだが、それについてもわずか3頁を割いているだけである。

「まえがき」によると、筆者は「グノーシス」の基準モデルを2世紀のキリスト教グノーシスとし、プトレマイオス、ウァレンティノス派、バシレイデース、マルキオンの教説についての解説に紙幅の大半を費やしている。
 こういうアプローチももちろん重要なんだろうけどね。やっぱ私は思想それ自体には興味がないんだな。その思想が成立した背景や、及ぼした影響については大いに興味があるが、思想自体の内容には大して興味がない、かなりどうでもいい。その詳細とか解釈の問題になると、まったく興味がない、本当にどうでもいい。
 というわけでこの本はあまり使えなかった。

 とりあえず先日の『ギリシア思想とアラビア文化』によると、8世紀後半から10世紀にかけて、イスラム知識人(特にペルシア系)の間で猛威を振るった異端思想として挙げられてるのがマニ教とマルキオン派グノーシス主義なのだが、本書によるとマニ教はキリスト教グノーシスのうちでも特にマルキオン派を引き継いでいるのだそうである。
 マニ教関係は「ペルシア」のファイルに分類しているので、ノートはそこに放り込んでおく。

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