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参考文献録

「マー・ワラー・アンナフルにおける突騎施勢力の伸長について」 目黒輝 (『菊池秀雄教授 山崎利男教授 古希記念アジア史論叢』 中央大学東洋史学研究室・編 刀水書房 2000) (「中央アジア中世」)
 タラス河畔の戦い(751年)というと、アラブ・イスラムと中国の史上唯一の合戦として教科書にも載っているが、これについて詳しく論じた日本語文献は、どうやら前嶋信次氏の「タラス戦考」(『東西文化交流の諸相』所収、1971)一本きりのようだ。

「タラス戦考」はかなり長い論文で、前半はタラス戦に至るまでの唐とアラブの中央アジア政策に重大な影響を及ぼす遊牧部族突騎施の可汗蘇禄を中心に論じている。目黒氏による論文は、この「タラス戦考」前半部の、いわば補足といったところ。

 ちなみに教科書や概説書では、タラス河畔での敗戦で唐の西域進出が挫折したということになっているが、唐の西域経営途絶の原因はその4年後に起きた安史の乱である。また「この戦いで捕虜になった唐の紙漉き工によって西側に製紙技術が」というのが定説だが、この説が最初に登場するのは、10世紀のアラビア語文献であり、ソグディアナ(西トルキスタン)では遅くとも8世紀初めには製紙が始まっていた。

 次作の設定は、上記を踏まえています。

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