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参考文献録

『ハザール事典――夢の狩人たちの物語』 ミロラド・パヴィチ 工藤幸雄・訳 東京創元社 1993(1988)
Hazarski rečnik
 著者はセルビア人、原語はクロアチア語。英語訳および仏語訳からの重訳。
 ハザールは世にも珍しい、ユダヤ教を国教とした非ユダヤ人国家であったが、その後イスラム、次いでキリスト教に改宗し、10世紀に古ロシア人に滅ぼされた。その史実を土台にした、事典の体裁を取った小説。キリスト教、イスラム、ユダヤ教の三部構成。

 よくもここまで手間の掛かる仕事をしたものである。自分ではやりたいとは思わんが、多少羨ましくはある。
 参考文献としてここに挙げたのは、どこかで「アラビアンナイト風の文学作品」と紹介されていたからだが、ここまで凝った作品だと、アラビアンナイトからの影響をどれだけ受けているのかというのは、もはやどうでもよくなる。それと、アラビアンナイト風とかオリエント風とか以前に、あまりにもどっぷりスラヴ的だ。

「男性版」と「女性版」があるが、著者の結語によれば、両者の違いはわずか十七行である(それ以外の部分を突き合わせて確認してはいないので、ほかにもまだ違いはあるのかもしれないが)。御丁寧にも、訳者あとがきまで二つの版に相違はない。

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