« 参考文献録 | トップページ | 参考文献録 »

参考文献録

「アラブ人とイラン人の関係――両者のイメージ」 池田修 
「イラン人のアラブ観」 藤井守男 (『中東世界』 世界思想社 1992)

 前者は前イスラム~初期イスラム時代について、後者は19世紀後半~20世紀前半について。
 次作は8世紀半ばが舞台だから、藤井氏の論考は当然ながら直接には関係ないんだが、アラブ、イラン、中央アジア、シルクロードといったものに、現代に至るまでのイメージを反映させたりさせなかったりしたいので、かなり参考になったのであった。
 近代イランの知識人たちが唱えた、自国の停滞の遠因を「蛮族アラブ」によるイラン「侵略」に帰する反アラブ史観についての考察だが、なにぶん11頁しかないので詳細だとは言い難い。
 終わりのほうに、この反アラブ史観から生まれた「イラン主義」歴史小説を、サーデク・ヘダーヤトが浅薄であるとして厳しく批判した、と述べられているが、具体的にどんな浅薄な歴史小説だったのか知りたかったなあ(邦訳されることは、まずなかろう)。

 池田氏の論考も、やはり11頁しかないので、詳細さや具体的事例が不充分。アラブの古典文学が幾つか紹介されているんだが、おもしろそうな内容なのに、紹介の仕方があまりにも簡略すぎる。

|

« 参考文献録 | トップページ | 参考文献録 »

参考文献録」カテゴリの記事