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参考文献録

『幻想の古代史』 ケネス・フィーダー 福岡洋一・訳 楽工社 2009(1990/2008) (「その他科学」)
Frauds, myths, and mysteries: science and pseudoscience in archaeology
 上下巻。原著の初版は1990年で、2008年現在ですでに六版目らしい。日本語版の解説がないのでアメリカでの評価その他の状況は判らんのだが、六版目にして初めて邦訳されたのは、加筆パートに例の藤村「ゴッドハンド」新一の記事が含まれているからなのは間違いない。
 
 そういうわかりやすい事情が背景にあるにせよ、邦訳自体は誠実なもので、特に参考文献リストが原文ママとは別に邦訳参考文献リストが作成され、さらには本文中に挙げられた文献で参考文献リストに載っていないものにも、邦訳があるものはちゃんと記載しているのが素晴らしい。その辺いい加減な本が多いんだよ。
 しかし邦訳されてる参考文献の大半が、まともな研究書ではなく、偽史を「真」とするいかがわしいのんばっかりで嘆かわしい。

 本書を「参考文献」として読んだのは、偽書(偽の古文書)の制作について知りたかったからなんだが、残念ながらそれについてはほとんど触れられていなかった。まあ少しは言及されていたし、また本書によれば偽史をでっち上げる輩の中には、「それについての古文書を読んだけど、失われてしまった」と主張する奴が結構多いようだ。それでもビリーバーが付くんだから、人間ってほんと、信じたいものを信じるんだなあ(本書によると、捏造というのは需要があるから行われる)。

 というわけで、ノートを取ったのは次作とは関係なく、興味を覚えた記事から。とにかく広範な内容であり、ピルトダウン事件にティヤール・ド・シャルダン(北京原人の発掘者の一人)が関わっていたとか、初めて知る情報が多い。ヴァイキングの「アメリカ発見」についての記事で、ヴィンランドを「ワインの地」としてたりするけど(近年は「草原の地」説が有力)。

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