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参考文献録

『ロシアのオリエンタリズム――民族迫害の思想と歴史』 カルパナ・サーヘニー 松井秀和・訳 柏書房 2000(1994) (「ロシア・ソ連近現代」)
crucifying the orient: Russian orientalism and the colonization of Caucasus and central asia
 著者は1946年生まれのインド人女性で、56年から60年にモスクワに滞在(父親はインド文学の大家。それでソ連に招かれていた?)、66年から71年までモスクワに留学という経歴の持ち主。
 再読。初読は『ミカイールの階梯』の時。第一部が帝政ロシア時代、第二部がソ連時代(およびソ連崩壊後)。第二部だけ読み返す。タイトルどおりの内容で、とてもとても気が滅入ってしまう本なので、できれば読み返したくなかった。前回かなり詳細なノートを取ってあるから、それだけで済ますこともできんこともなかったんだが、念のために再読しました。

『ソ連のイスラム教徒』 グレース・ハルセル 越智道雄・訳 朝日新聞社 1991(1991) (「ロシア・ソ連近現代」)
Islam: and the future of the soviet empire
 誰かと思えばグレース・ハルセルである。彼女の著書はこれまでに二冊読んだことがあって、どちらも『グアルディア』の参考文献としてであった。『核戦争を待望する人々』ではファンダメンタリストの「エルサレム・ツアー」に潜り込み、『黒い肌は知った』(しかし恥ずかしい邦題だな、いくら1970年刊行とはいえ)ではもっと凄くて、薬品で肌を黒く変え、黒人女性になりすまして文字どおり差別を体験していた。

 で、本書では1988年~1991年2月に掛けて、三度にわたってソ連の中央アジアおよびカフカスを訪れている。この時期からソ連のムスリムに注目し、しかも彼らの経済的不平等を原因とする反ソ運動をソ連が宗教問題に摩り替えていることまで看破しているのは、さすがと言うべきだろう。
 まあ、取り上げられているのは80年代以降の問題が中心で、それ以前のことには、ざっと触れられてるだけだったんで、あんまり参考にはならなかったんだけど。

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