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参考文献録

『アラビア人文学』 ハミルトン・A・R・ギブ 井筒豊子・訳 講談社 1982/1990(1926) (「イスラム文化」)
Arabic literature
「アラビア人・文学」なのか「アラビア・人文学」なのか判断に苦しむ邦題だが、原題のliteratureは訳者あとがきによると、ここでは「人文学」のことだそうな。まあ扱っているのは文学が中心だが。
 で、arabicというのは著者前書きからすると「アラビア語」のことで、内容もアラビア語作品のみを扱う。他の言語によるイスラム文献は扱っていないし、またアラビア語作品であれば非アラブ人によるものでも除外しない。
 シュウービーヤ運動(非アラブ系ムスリムによる文学運動)についての参考文献として挙げられてたから読んでみたんだけど、大して詳しくもなかった。古典だけに内容も古いし。

『カナート イランの地下水路』 岡崎正孝 論創社 1988 (「中央アジア中世」)
 カナートに限らず、用水全般について。
 カレーズ(「カナート」はアラビア語)はサーサーン朝ペルシアでは広く行われていたし、イスラム征服後もそのまま残されたようだが、ペルシアと隣接したソグドにいつ伝わったのかは不明。ソグドのさらに隣のフェルガナ地方に伝わったのは15世紀らしい。
『ミカイールの階梯』の時、カレーズを絡ませたエピソードを入れたらおもしろいかとも思ったんだが、タリム盆地でのカレーズの状況がよく判らなかったので却下したという経緯がある(刊行後に見つけた資料で、タリム盆地にはカレーズがないことが判明。しかも東トルキスタンへのカレーズの伝播自体が18世紀を下らないらしい)。

 今回、カレーズを使えたら使いたいと思ってたんだが(伝播の時期が不明なら、8世紀に伝播していたことにしてしまえばいいのである)、やっぱやめた。舞台となる地方が川の流域で、しかも8世紀当時は運河が発達していたので、カレーズの使いどころがないのである。
 カレーズがあるという設定にしてしまうと、その地域の攻略が簡単になり過ぎて(カレーズ破壊すれば一発だからな)話が展開しないから、というのも理由の一つ。

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