ライフ・イズ・ミラクル
クストリッツァ監督作品。これまで観た彼の作品(『アンダーグラウンド』と『パパは出張中』だけだが)以上に、全編に流れる音楽(BGMばかりではなく、劇中で演奏されてたり、ラジオから流れてきたりする)が素晴らしい。動物も芸達者で素晴らしい。あれは専属のトレーナーが何人ついていたのであろうか。風景も素晴らしく美しい。
これまでのクストリッツァ作品のテーマ(?)である「非常時であろうとなかろうと、人間はしょうもない」も、とことんまで追求されている。主人公の妻は、内戦が始まり息子が召集されたその日に怪しいハンガリー人の音楽家と手と手を取り合って逃げ、主人公は主人公で捕虜となったムスリム女性と恋に落ちる。もはや何も言うことはない。素晴らしい。
ところで、『アンダーグラウンド』の時、なんでこの人たちはこんなに血の気が多いんだろうと訝ったものだが、今回、市長が公用車の中で朝食と称して脂でぎとぎとの大きな関節の骨(羊だろうか)からスプーンで直接骨髄を掬って食べているのを目にして納得した。そら血の気も多くなるわな。
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