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ミッション・クレオパトラ

 原作はフランスの昔のコミックで、原作を知らなきゃ解らないと思しきネタが多々あったが、それらを差し引いても、おもしろいかって言うと……
 とにかく、よく解らん金の使い方をしている映画である。主役のジャメル・ドゥブーズは当時(2002)それほどメジャーじゃなかったにしても、モニカ・ベルッチとジェラール・ドパルデューだけでも結構な出演料だろう。ほかのキャストも出演作からすると、わりあいメジャーそうだし。しかもわざわざエジプト・ロケしてるし(全部セットでいいような内容だ)。

 それとも、全部セットで済むような話に大金を投じてロケを敢行するのがフランスらしさというものなのだろうか。間違いなくフランス的だったのは、(ギャグのテンポの悪さは措くにしても)スノビズム臭の強さである。
 たとえば王宮の建設現場では、人々が鞭を振るわれながら働いている。往年のハリウッド・スペクタルのお約束である。そこへ、彼らは実は奴隷ではなく給料を支払われる労働者だ、という最新の学説に沿った説明が入る。さらにその後、主人公を妨害せんとする王宮建築家がやってきて、「労働者諸君、君らは搾取されている」とアジる。

 ほかにもクレオパトラがギリシア系だとか、クレオパトラの鼻の形がいいとか、フランス映画だから「シーザー」じゃなくて「セザール」だとか、移民系のキャストを揃えておいて、シーザーに向かってクレオパトラが「公平に勝負なさい、ここは植民地じゃないのよ」とか。
 予告編によると、本作はフランスでは大ヒットし、四人に一人が観た計算になるのだそうで、フランスは四人に一人がスノッブかよ、やな国だなとか思って観ていたら、不覚にも『メデューズ号の筏』で思いっきり笑ってしまった……いや、不意を衝かれて。

 日本公開当時、評判はかなり悪くて(しかも取り上げてたのは『映画秘宝』くらいであった)、まあまったくもって評判どおりだったわけだけど、ベルッチ様のクレオパトラが拝めたので何も文句はないのであった。てか、合計10分余りであろうベルッチ様の登場シーンだけあれば後は要らん。
 ベルッチ様は声が可愛く、実は顔も結構可愛い(要するに首から下とのギャップが激しい)。だから権高に振る舞うのはもちろん、ヒステリックに喚いていてさえ大層可愛らしいのである。

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