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ブッシュ

 ブッシュ・ジュニアというと、やたら泳ぐ目と下唇を突き出した子供っぽい表情(そのせいで父親によく似た容姿のはずなのに、父親より遥かに意志薄弱に見える)が印象的なのだが、彼に扮したジョシュ・ブローリンはそういう表情をほとんど見せていない。なので、話題になったほど「そっくりさん」だとは思わなかったな。
 まあたぶん主に真似たのは喋り方なんだろう。私は自主的にTVを観る習慣がないので、ブッシュ・ジュニア本人が喋るのをちゃんと聞いたことがなく、したがって似てたかどうかは判らないんだけど。ライスやパウエルなど、その他の登場人物たちの喋り方についても同様。彼らに関しては、単純なカリカチュアという意味では容姿や表情は随分似ていたと思う(ライスが常に苦虫を噛み潰した表情なのには笑えた)。
 ブッシュ・シニア役のジェームズ・クロムウェルは、似ているとか似ていないとかいう以前に、「良くも悪くも父権的な上司」役をやるために生まれてきた男である。

 ジェームズ・クロムウェルがブッシュ・シニア役なので、ジョシュ・ブローリンが演じるブッシュ・ジュニアは当然ながら「偉大な父親にコンプレックスを持つダメ息子」である。実際の父子関係がどうなのかは知らないし、軸に据えるにはあまりにも陳腐だという気がするが、演出があっさりしているので、そう辟易させられることもなかった。
 全体として手堅く手際よくまとめられているという印象で、オリヴァー・ストーンの職人芸に感心させられた作品。

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