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マイ・フェア・レディ

 先日、バーナード・ショーの『ピグマリオン』を読んだので、十数年ぶりに映画版を再鑑賞したくなったのであった。ネタばれ注意とか言う必要もないと思うけど言っておきます。

『ティファニーで朝食を』もそうだが、結末でヒロインが男の許を去る原作(『ピグマリオン』では完全に縁が切れるわけではないが)が、映画では「そして二人は結婚し、末永く幸せになりました」にされている。
『ピグマリオン』では、バーナード・ショーは戯曲の結末でイライザにヒギンズ教授の許を去らせる結末では飽き足らずに、「後編」と称する文章で、二人は絶対に結婚しないのだということをわざわざ宣言している。

 それほどまでに自分の作品が陳腐なロマンスに貶められることを恐れたショーの意思も、死後にはものの見事に踏みにじられるわけですが。
 まあミュージカルだし、ニューシネマ以前のハリウッド映画だし、オードリー・ヘップバーンだしね。彼女に「自立した女」は演じられないし、貧民街にゴミ一つ落ちていない世界にリアリズムやシニシズムを持ち込んでも無意味というものでしょう。そこまで造り込んだ「おとぎ話」は、現在じゃもはや成立不可能だということを考えれば、むしろ貴重というものだ。
 映画の「ロマンティックな」展開や雰囲気と、原作からそのまま引っ張ってきてるシニカルな台詞が多少噛み合ってなかったりするけどな。

 しかしオードリー・ヘップバーンは細い上に手足と首が長いなあ。両手を脇に下ろした時の、ウエストから指先までの距離とか信じられないんですけど。永野護キャラか。
 あと、フレディ役がジェレミー・ブレッドだと知ってびっくらこいた。あのシャーロック・ホームズ役者である。若い頃はあんな面白味のない美男だったとは。

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