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ウルフマン

 アンソニー・ホプキンスを初めて観たのは『羊たちの沈黙』だったんだが、そう言えばこれも『十二人の怒れる男たち』と同じく、大学の講義で途中まで観せられたんだったよな。確か同じ講義だったような気がするが……一体なんの科目だったんだ?(そしてそう言えば、『羊たちの沈黙』もその後観直してはいないんだよな。原作は読んだが)
 それ以降、アンソニー・ホプキンスは何をやってもレクター博士にしか見えなくなってしまったのであった。『ハンニバル』の一つ前の『タイタス』がそのまんまなのはまあいいとして、『永遠の愛に生きて』(ひどい邦題だが、『ナルニア』の原作者の話だ)までレクター博士に見えるというのは困りものですよ。

 さて、久しぶりのアンソニー・ホプキンスは、老いとともにいろいろ余計なもの(レクター博士で言うなら、『ハンニバル』で付け加えられたバックグラウンド的なもの)を捨て去って真に純粋な欲望だけを残した、重厚かつ軽妙とでも形容すべき完成型となっていたのであった。一言で言うと、因業親父。
 ベニシオ・デル・トロという濃い役者が「帰ってきた放蕩息子」という役柄なので、確かに父親役にはアンソニー・ホプキンスくらいでないと釣り合いは取れないわな。父親がアンソニー・ホプキンスじゃあ、どんな役者を息子役に持ってきても勝負は見えてるだろうという気もするが。
 ところで、ビジュアル的にはあの二人が父子というのは無理があるだろうと思ったら、母親役(回想シーンのみ)には、ちゃんと眉の太いラテン系を持って来てました。こういう些細な部分にも配慮があるのはいいですね。

 オリジナル版は未見ですが、19世紀末の英国という設定ならではの要素がいろいろ詰め込まれていて、楽しゅうございました。捜査に当たる警部(ヒューゴ・ウィーヴィング)が斬り裂きジャック事件を担当してたとか(つまり捜査に失敗してるとか)。ヒロインのエミリー・ブラントも古風な容貌の美人で、良い感じでした。

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