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グリーン・ホーネット

『エターナル・サンシャイン』『恋愛睡眠のすすめ』のミシェル・ゴンドリー監督作(ほかは観てない)。

『エターナル・サンシャイン』みたいに、エピソードが時系列どおりではないのに加えて「現実と虚構(作品内での)」が入り乱れる作品は、SF者にはお馴染みだが「普通の人たち」にとっては非常に難解らしい(SF者が優越感を抱ける数少ないケースの一つである)。まあ要するに、『エターナル』のエピソードのシャッフルの仕方はSFの定型にはかなり忠実なので、慣れてる人間には読み解くのに困難はないということなんだけど。
 対して『恋愛睡眠』のシャッフルの仕方はSFの定型からも外れているので、SF者にとってもかなり読み解きにくい(「普通の人たち」にとっては言うまでもなかろう)。

 そういうゴンドリー監督が撮ったアメコミヒーローものの本作は、ごくシンプルで解り易いプロット・演出であった。観客を馬鹿にしてんのか、というのんとは違う、いい意味でのシンプルさである。
 アメコミヒーローものなのに(と敢えて言うが)やたらと重いテーマ、入り組みすぎたプロット、作り込みすぎたキャラクター(なのでやたらと煩悶したり大演説をしたりする)、錯綜に錯綜を重ねた人間関係、というのは好きじゃないんで(どれとは言わんが……)、このくらいがちょうどいいです。
 原作は未読ですが、映画化にあたって設定やキャラクターに考え抜かれた解釈がほどこされた跡が窺われ、それがシンプルだけど奥行のある、ほどよいバランスを生み出しているように思えます。

 悪役は『イングロリアス・バスターズ』のクリストフ・ヴァルツ。そうか、現代の格好するとこういう容姿なのか。『イングロリアス』の時にも見られた、決して二流ではないんだけど一流にはなりきれない悪党の悲哀、がより前面に押し出された感じでした。
 クレジットにエドワード・ファーロングの名前を見つけてびっくりする。ど、どこに出てたっけ、としばらく悩み、きっとクリストフ・ヴァルツの手下で麻薬の精製をやってた小汚い男に違いないと見当をつけたら、やっぱりそうでした。

『恋愛睡眠のすすめ』感想

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