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神林長平トリビュート 文庫化

 絶賛発売中(私一人の著作ならよう言わんが、アンソロジーだし)。

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神林氏デビュー30周年記念として、8名の作家(敬称略)が氏の作品をトリビュート:
 海猫沢めろん「言葉使い師」
 虚淵玄「敵は海賊」
 円城塔「死して咲く花、実のある夢」
 桜坂洋「狐と踊れ」
 辻村深月「七胴落とし」
 仁木稔「完璧な涙」
 元長柾木「我語りて世界あり」
 森深紅「魂の駆動体」

 序文は神林氏御本人です。
「その八氏による八篇の作品に触れてまず感じたのは、ここには現在(いま)がある、という強い印象だった。ぼくの作品を現代流に換骨奪胎するとこうなるのかといった感慨や感想が浮かぶのは、そのあと、じっくりと読んでからのことだ。」

 単行本が出た時、序文の中の上の記述と遭遇して、えらい動揺してしまったものです。「よ、読まれてもた」と。
 いや、神林氏が御自分の「デビュー30周年記念企画」として出されたトリビュート作品を読まないような人だと思ってたわけではなくて、一ファンとしては氏が私の拙いトリビュート作品をいつかどこかで読んでくれるんだなあ、と思うだけで満足というか、もういっぱいいっぱいなのに、「じっくり読んだ」と明記されてその事実を目の前に突き付けられてしまうと、ただただ動揺するしかないわけですよ。

 ちなみに私は神林氏にお目に掛かったことはまだありませんが、もしお目に掛かれて、でもってトリビュートのことを言われてしまったりなんかしたら、すっ飛んで逃げますよ(そして言われなかったら言われなかったで、後々まで悶々と苦悩するであろう)。

 この企画では、自分の好きな神林作品を選べたわけですが、私は『完璧な涙』か「抱いて熱く」(『小指の先の天使』所収)で、と希望したところ、編集氏から『完璧な涙』で、と指定されたのでした。
『完璧な涙』のトリビュートは、原作(という言い方でいいのかな?)の枝編のような形で書きましたが、「抱いて熱く」で考えていたのはオリジナル色強めで、というかもろに東洋趣味の話でしたね。いろいろ印象的な視覚イメージが生まれたので、形にできなかったのは残念です。いや、魔姫を書けたのは嬉しかったんですが、それはそれ、これはこれ、で。

 オリジナル色強くて東洋趣味でも、あくまで原作の確固たる世界を基盤としてるので、私自身の作品への流用は不可……発表の機会があるかどうかはさておき、神林氏のデビュー40周年記念の時にでも書いてみるとかどうだろう。

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