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ロビン・フッド

 ゴールデンウィークで暇を持て余している父のために借りる。父はラッセル・クロウが好きなのである。私は嫌いだが。

 ラッセル・クロウを嫌いな理由は暑苦しい(演技も容姿も)からで、だから『LAコンフィデンシャル』では、まだ暑苦しくないので嫌いじゃない。まあとにかく、これも親孝行だと、ラッセル・クロウ主演、リドリー・スコット監督の『ロビン・フッド』を一緒に観る。

 一応ネタばれ注意。

『キングダム・オヴ・ヘヴン』は、リチャード獅子心王が十字軍に向かうところで終わってたが、『ロビン・フッド』はリチャード王が十字軍から帰ってくるところから始まる。

『グラディエーター』ではカタパルトや鎌付き戦車(ほかにも剣闘士の武器いろいろ)、『キングダム・オヴ・ヘヴン』では「ギリシャ火」付きカタパルトや架台付き弩、攻城塔、と登場させてきた古代・中世武兵器おたくのリドリー・スコットだが、今回登場した兵器は破城槌と揚陸艇。

しかしリチャード獅子心王は、十字軍から攻城技術を学ばなかったわけだ。門を破壊した焼夷兵器は、中東から持ち帰ったという設定なんだろうか。

 武器のほうは、フランス人が短い弓と弩を使ってたのに対し、イギリス人は長弓。どっちの弓も単弓ですな。『キングダム・オヴ・ヘヴン』では、確かイスラム軍は合成弓を使ってたと思うが、十字軍側はどんな弓を使ってたっけか。

 ラッセル・クロウ演じるロビン・フッドはこの長弓の名手で、リチャード王の軍の射手隊にいたという設定。長弓は射るのには剛腕と長年の丹錬を要し、中世の射手の人骨は上半身が変形しちゃってるそうだ。

 つまり、別段ごつくもないケイト・ブランシェットが長弓であれだけ距離を射るのはもちろん、そもそも引き絞ることすら無理という話で、まあ映画にそこまでリアリティを求めたってしょうがないんだが(今回の揚陸艇とか『グラディエーター』や『キングダム・オヴ・ヘヴン』のカタパルトなどは、リアリティは疑わしいが迫力があるのでそれでいい)、ケイト・ブランシェットが浅瀬で倒れて、鎖帷子が重くて起き上がれないという「リアリズム」をやるんだったら、その前に鎖帷子を着て段平を振り回すのも無理だろーという話で、いや何かもやもやしますな。

 武器兵器以外のことはどうだったかと言いますと、ラッセル・クロウ演じるロビン・フッドは前半、なかなか抜け目なく、かと思うと少々間抜けだったりして、つまり『グラディエーター』のマクシムスより個性が付与されている。三人の仲間+神父も結構キャラが立っていて、笑いどころもあちこちにある。

 しかし後半になって、自由がどうの権利がどうのとか言い出すと、『グラディエーター』と同じになっちゃうんだよ(ついでに言うと、オーランド・ブルーム主演の『キングダム・オブ・ヘヴン』もそうだ)。なんでそういうことを言いたがるんだろうなあリドリー・スコット。『ブラックホーク・ダウン』みたいなのを作ってればいいのに。

父親がカリスマ石工(技術がカリスマ的という意味ではない)だというのは、フリーメーソンに関連付けてるんだろうか? 、平民の反逆者が剣で斬首(高貴な身分の罪人の特権。刑吏の腕さえ良ければ、苦しまずに死ねるから)のわけねーだろとか、これがメル・ギブソンだったら、そこだけは史実に忠実に、それはそれはしつこく残虐に描写するんだろうなあとか、そういうことは言わないでおく。

『キングダム・オヴ・ヘヴン』感想

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