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コンテイジョン

 えーと、contagionは「感染/接触伝染病」。
 パニックものやホラーは好きではないジャンルなので、「感染もの」はそうたくさん観ているわけではないんだが、どうも制作者が「感染」というものを明らかに理解していないか、一応理解はしてるかもしれないが話をおもしろくするために知見を無視している作品ばかりである。娯楽作品なんだから、いちいち目くじら立てるのもな、とは思うんだが、やっぱり見ていて釈然としないのである(そうして、ますます遠ざかるのであった)。

 ソダーバーグ監督はその辺どうするんだろう、という興味から観てみました。あと、キャストが豪華だったんで。以下、ネタばれ注意。
 
 疫学的な考証は、わりあいちゃんとしてたと思います。あんなに変異の速いウイルス、という設定なら、せっかくワクチンを作っても、すぐに効かない変種が出てきそうな気もしますが。
 豪華なキャストについては、実にこの監督らしく、惜しげもない使い方をしている。グウィネス・パルトロウもケイト・ウィンスレットもあっさり死んじゃうし、マリオン・コティヤールももっと重要な扱いでもいいような役柄なのに。
 
 ソダーバーグ作品は全部観てるわけじゃないんだが、好感を持てるキャラクターがあんまりいない、というのが特徴の一つだと把握しておったわけです。しかしこの作品は、誠実に自分の務めをこなしているキャラクターが多い。
 観客のキャラクターへの「感情移入」なんぞに頼らず勝負するのがソダーバーグ節だと思いますが、やはり全然好感の持てないキャラクターよりも、好感の持てるキャラクター(ローレンス・フィッシュバーンのような人間的な弱さを持ったキャラも含めて)がいるほうが、観るほうは楽ですわな。

 とはいえ本作で一番印象が強かったのは、ジュード・ロウ演じる煽動ブロガーなのでした。現実の医療関係の問題には、世間の不安を徒に煽るこの手の人間が必ずいるのですが、そういう輩の典型として巧く造形されてるし、巧く演じられている。こいつが最後に感染したりしたら、さぞや溜飲が下がると思われますが、そうならないのがソダーバーグ的であり、また現実でも概ねそうなのでしょうね。

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