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サロゲート

 人類の大多数(「何十億人」と言ってたから、大多数なんだろう)が自宅に引き籠り、自宅外の活動はすべて(仕事からレジャーまで)脳波で遠隔操作するロボット「サロゲート」に代任させるようになった近未来。あり得ないはずの「殺人」事件が起きる。
 以下ネタばれ注意。

 こういう身代わりロボットとか仮想現実とかを扱ったSF映画は、例外なく「偽りの人生を否定し、本物(生身)の人生に戻ろう」って結論になってまうんだよね。いや、例外はあるかもしれないけど、少なくとも私は観た覚えがない。
 そういう映画で描かれる「偽りの人生/生活/世界」は、ほぼ例外なく問題があり過ぎるんで、それを否定する結論になるのは当然と言えば当然なんだが、しかし順番としてはまず結論ありきで、そこに至るために問題のある「偽りのシステム」が捻り出されている、とも言える。
 この「サロゲート」システムも、セキュリティをはじめとして欠陥だらけなんで、当然ながら私も御免こうむるが、「偽りのシステム」が現実世界より良いのはもちろん、少なくとも大して変わらないものだったら、別に偽りでもいいじゃん、「本物」にそんなに価値があるか? と思うのであった。『マトリックス』(1作目しか観てない)とかね。

 まあシステムに問題はあるものの、脳波で動かす義肢という現実に研究開発が進められている技術から始まって遠隔操作ロボットが障害者用から軍事利用へ、というイントロダクションは結構リアリティがあってよかった。
 ロボットを演じる役者たちの皮膚が妙にのっぺりして見えたのは、ロボットっぽく見せるために多少CG処理でもしてるのかな。そういう細部には好感が持てた。
 ブルース・ウィリスもロボットと生身の二役で、ロボット役の若造りは結構笑えた。マッチョではなく優男風なのは、引き籠りっ放しで身体が弱ってる「生身」をそれなりにかっこよく見せるための方便なんだろう。

 ところで、ブルース・ウィリス出演作はそれほど観てるわけじゃないが、何か「妻と心が通わなくなっている夫」役が幾つか被ってるな。思い出せるだけでも『ダイハード』『アンブレイカブル』がそうだし、『シックスセンス』も一応そうだと言えるだろう。『永遠に美しく』はちょっと違うが。
 で、これもそうなわけで、奥さん(本物)の顔の傷痕についてはなんの説明もないが、息子を亡くした時の交通事故ということなのかな。

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