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三銃士

 ポール・アンダーソン監督作品。
 ミラ・ジョヴォヴィッチがまるっきり峰不二子だった。以下、ネタばれ注意かもしらん。

『三銃士』は小学生の時に読んだきりなので、メインのプロットはとうに忘れてしまい、むしろ細かいエピソードやディティールのほうを妙にはっきり憶えている。子供の頃読んだ話ってだいたいそうだよな。
 ミレディが元夫のアトスに仇なすようになったのは、罪人だった過去がばれて酷い扱いを受けたからだが、やむにやまれぬ事情があるとか冤罪の可能性だったってあるだろうに釈明もさせてあげないなんて、と子供心にずいぶん釈然としなかったものである(その場面の挿絵まで憶えている)。
 この映画の制作スタッフも、同じ考えだったのであろう。上記のエピソードはすっぱり割愛されていた。その結果、ミレディは何ものにも縛られることなく、欲望のままに行動する峰不二子となったのであった。まあそのほうが現代のハリウッドの悪女に相応しい。
 しかし、美人で頭がよくて凄腕の泥棒で戦闘能力も高くて、欲が深くて生まれついての裏切り者で、それでも時々はしてやられたり、しおらしいところがあったり、悪党の手に落ちたりと、思い付ける限りの峰不二子の条件を満たしてるなあ。

 17世紀初頭だが、近い時代にダ・ヴィンチという、ニコラ・テスラと並んでオーバーテクノロジーに便利な人物がいるお蔭で、飛行船も飛びます。次から次へといろんな重火器が出てくるのは楽しかったが、飛行船の機構をまったく見せなかったので評価は下がる。正確さなんか求めないから、何か大きくてゴチャゴチャしたものがガシガシ動いてるところが見たかった。

 露骨に悪役に重点が置かれている配役だが、ミラ・ジョヴォヴィッチ以外はみんなどこかしら間抜けな役どころで、リシュリューのクリストフ・ヴァルツは『イングロリアス・バスターズ』『グリーン・ホーネット』と続いて「一流半」の悪党である。巧いんだけど、そろそろ違う役も観たい。
 しかしランダ大佐の時は気が付かなかったんだが、この人、実はあまり背が高くないんだな。ドイツ人なのに。それがまた「一流半」ぽさを際立たせている。まあ今回は、三銃士の面々やミラ・ジョヴォヴィッチがみんな長身だったから、余計目についたんだろうけど。
 オーランド・ブルームは、かつて観た中で一番活き活きとしていたが、このままイギリスからハリウッドへ行った「美形俳優」(私がそう思ってるんじゃなくて、世間でそう見做されてるという意味)にありがちなコースとして、悪役専門になってまうんじゃなかろか。

 三銃士のキャストは皆、あまり知名度が高くないが、悪くはない。ダルタニヤンは『3時10分、決断の時』の息子役や『バタフライ・エフェクト』の子役の時は結構巧いと思ったが、今回は普通の兄ちゃんもとい若手俳優だな。若いのでは、ルイ13世が、暗愚と見せかけて、実はそこまでひどくなくて、幼稚で単純だが成長の余地はある、というキャラクター造形はなかなかよかった。

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