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パトリオット

 19世紀以前の戦争を扱った映画って、意外と少ないんだな。ただでさえ少ないうえに、メジャーなハリウッド映画以外(ハリウッド映画でもマイナーなのんや、割合メジャーでもハリウッド以外とか)はレンタル屋に置いてなかったりするし。
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 というわけで、戦闘場面を確認するだけのために再鑑賞。一応ネタバレ注意。
 たぶん十年ぶりくらい。再鑑賞前に記憶を反芻したところ、出てきたのは英軍に次男を殺れ長男を連れ去られたメル・ギブソンが炎上する家に飛び込んで行って山ほど武器を背負って出てくると森へ入ってトマホークで英兵を殺しまくる一連の場面、それと軍隊同士の会戦場面だけであった。
 レンタルしたのは「コレクターズ・エディション」で165分もあったが、上記の事情によりどのシーンが追加なのかは判らなかった。しかしどのみち、上記の場面だけがすべて、という作品なのでした。
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 長男(ヒース・レジャーだ)を取り戻すためとはいえ、まだ幼い三男と四男に援護射撃を行わせつつ、自分はチェロキー族のトマホークで英兵20人を虐殺、などという役を演じられるのはメル・ギブソンを措いてほかにいまい。とは思うものの、このシーン以外の彼の役は、狂言回し以上のものではない。
 この映画の主役は戦闘場面、それも民兵のゲリラ戦ではなく、軍隊同士の会戦なのであった。
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 前回の鑑賞の何ヵ月か前、偶々18‐19世紀の戦争についての本を読んでいたのである。整然と並んだ横隊が平らな場所で向き合って一斉射撃しては再装填することを繰り返す、という光景の記述に震え上がったのだが、今度はその記述がそっくり映像で再現されているのを見て震え上がったわけである。
 対峙する横隊が一斉射撃の轟音と共にバタバタと人が倒れるが生き残った兵士たちは整列したまま、という俯瞰映像は、改めて観てもまったくもって尋常ではない。砲弾(鉄球)がバウンドしながら飛んできて、兵士の頭や脚をバサバサ刈り取るという光景も然り。ちゃんとしたスタッフさえ付けば、凄いものが撮れるんだよな、この監督は。
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 このような戦場の光景を映像化した、という点のみにおいて、この映画は傑作である。そのほかの要素(物語とかキャラクターとか)も、上記の光景を成立させるためだけに在る、という点で大いに評価できる。

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