ホビット
2012年12月鑑賞。
アクション映画が『マトリックス』の前と後で大きく変わったように、ファンタジー映画も『ロード・オブ・ザ・リング』前と後に分けることができる。しかしアクション映画がその後、ジェイソン・ボーン・シリーズでまた新たな方向性が登場したりして多様に展開しているのに対して、ファンタジー映画は『指輪』の亜流しか出とらんのな。
で、『指輪』から十年ちょっと経って、ようやく登場した『指輪』を超える作品が、『指輪』の前日譚ていうのは、なんだかなあ。「超える」と断言してしまうのは早計かもしらんが、とにかくいろんな面でスケールアップしていることは確かである。
しかしファンタジー映画としての新しい表現とか路線とかいったものが生まれたかというと、そんなことはない。前日譚としてはそれで正しいんだが、この10年間、ほかの連中(今回の監督もピーター・ジャクソンである)は何をしてたんだという気がしてならないのであった。
『指輪』と違ってまったくの子供向けである原作を、『シルマリル』とかの設定を組み込んで、巧いこと対処年齢を上げてるなあ。原作への多大な愛と敬意があって初めてできることで、『ナルニア』のスタッフは爪の垢を煎じて飲みやがれ(あんなクソ映画にしやがって……)。
とにかく、第2作(1年後)も観に行こうという気にはさせられました。
ところで『マトリックス』はSF映画にとってもエポック・メイキングであったはずなんだが、「大きく変わった」と言えるほど、その後SF映画は作られてないんだよなあ……
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