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レジェンド・オブ・ウォーリアー

 ヴァイキングによる北米植民が頓挫したのは、先住民との軋轢が原因らしい。という史実を基にしたフィクション。DVD特典の解説によると、ヴァイキングと先住民との接触を描いた映画はこれまでなかったんだそうだ。へー。なんとなく、モンティパイソンとかがコメディでやってそうなイメージがあるんだけど。

 原題はpathfinderなので、邦題は『レジェンド・オブ・メキシコ』みたいに勝手に付けたのかと思ったのだが(レンタル店でタイトル検索すると、レジェンド・オブなんちゃらという洋画は結構な数がある)、原題の副題がlegend of the ghost warriorであった。なお、ゴーストというのは北米先住民に育てられたヴァイキングの子である主人公の呼び名であると同時に、「歴史に残らなかった戦士」を意味しているようだ。主人公役はカール・アーバン。

 特典解説では制作者たちが、「ヴァイキングのデザインや設定は(見栄えをよくするため)ほぼ架空のものだが、北米先住民については正確さを心がけた」と自慢していた。英語を話すのはともかく、握手を交わすインディアンがか? 文化考証にしたって、17世紀以前に遡るのはほぼ不可能だろう。しかもカナダ東部という設定なのに、合衆国の平原地方がかなり混じってるみたいだし、ダンスはゴースト・ダンス(19世紀後半に興隆した新興宗教)っぽい。

 対してヴァイキングのほうは、実物のヴァイキングと角のある兜に代表される従来の空想上のヴァイキングとを巧く活かし、なかなか独創的なデザインになっている。
 兜や遮光器、髭やペインティングの組み合わせはほとんど特殊メイクの域に達しており、身体のシルエットも鎧や毛皮のコートで著しく変形している彼らが世界中の大半の観客には理解不能であろうアイスランド語を喋り、鋼鉄の武器や馬という「文明の利器」を駆使して「先住民」を虐殺するさまは、ほとんど凶悪なエイリアンであった。
 
 異星人(エイリアン)による侵略、という『宇宙戦争』以来のテーマは異邦人(エイリアン)による侵略に対する恐怖や批判のメタファーであったわけだが、ここではさらにぐるっと回って、異邦人による侵略が異星人による侵略の文法で描かれているのである。
 しかし、9世紀のヴァイキングの言語の代替物として現代アイスランド語は妥当だとは思うが、「エイリアンの侵略者」の言語にされて、アイスランドの人はどう思うのかな。
 

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