« ナイト&デイ | トップページ | アルゴ »

ニュートン・ボーイズ

 1920年代初め、けちな盗みで服役を繰り返していたウィリアム・ニュートンは、金庫爆破の専門家と組んで銀行強盗を始める。弟たちも仲間に引き入れ、4年にわたってアメリカ全土を荒らし回る。
 1998年制作で、長男にマシュー・マコノヒー、次男にヴィンセント・ドノフリオ、三男にイーサン・ホーク、四男にスキート・ウールリッチ。
 出番が少なくこれといった見せ場もないドノフリオを除く3人が皆、魅力的だった。彼らの出演作はこれまであまり観たことがなく、興味もなかったので、かなり意外。特にお調子者の三男を演じたイーサン・ホークが素晴らしく、ここ数年のしょぼくれぶりとはまるきり別人である。
 
 ジェシー・ジェームズ、ジョン・デリンジャー、ベビー・フェース・ネルソン、それにボニー&クライドとかについてなら、映画以外の媒体を介しても知識があるが、ニュートン兄弟については全然知らなかった。これは彼らの活動のほとんどが夜中にこっそり行われるものであり、したがって一度も殺人を犯さなかったこと、またマスコミに自分たちを売り込んだりもしなかったことによるところが大きいのだろう。
 というわけで本作はアクション映画ではなく、派手な暴力行為は全然ない(兄弟がニトログリセンンを景気よく使うので、爆発シーンは結構派手だが)。盗る側も盗られる側も、さらには追う側もかなりのんびりしており、しばしば間抜けである。ジェシー・ジェームズのような西部的な無法者たちはすでに退場したが、都市のギャングはまだ表舞台に上がっていない、狭間の時代の犯罪だ。兄弟の最後の(そして逮捕のきっかけとなった)仕事である列車強盗が1924年。後にジョン・デリンジャーらの象徴となる機関銃が、初めてギャングの闘争に使われる1年前である。

 兄弟たちの結束は非常に固いが、他人にはまったく心を許さない。裏切ったりはしないが、あくまで他人と見做している。4年にわたって危険を共にした仲間でさえ、例外ではない。
 この異様なまでに強い、家族への信頼と他人への不信は、『ザ・ファイター』の主人公の家族にも共通している。アメリカの貧乏人(白人)の心性なのかね。

|

« ナイト&デイ | トップページ | アルゴ »

鑑賞記2013」カテゴリの記事