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近況

『グアルディア』を脱稿した直後(デビューのほぼ一年前)に生まれた姪も、今年十歳になります。以前から時々、「○○ちゃん(彼女は私を名前で呼ぶ。父方母方双方におばさんが複数いるので)のお仕事ってなあに?」と訊かれることがあって、毎回「本を作ってるんだよ。本を作るって言っても、表紙の絵を描いたり印刷したりしてるんじゃないよ、中身のお話を書いてるんだよ」と答えてきたのですが、未だにちゃんと理解できていないようです。

「○○ちゃんは本の中の字をパソコンで打ってるんだよね」とか言う。
 いやその、一番肝心なのは字を打つことじゃなくて、お話を創ることなんですが……ていうか、作者の仕事が文字をタイプすることだったら、誰がお話を創ってるんだ……? そんで、こないだは「○○ちゃんの本って売れてるの? 本屋さんで全然見ないけど」とか言いよった。うるせーよ。
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 えー、年刊日本SF傑作選2012年度版『極光星群』の後記で編者の方も書かれていますが、連作〈ショウ・マスト・ゴー・オン〉シリーズの刊行は宙に浮いております。どうも申し訳ありません。
 当初の予定では七月に刊行されるはずだったのですが、書き下ろし分を執筆中の五月頭に担当の方から無期延期のお知らせがありました。
 まあなるようになるさ、とあまり気にしなかったつもりなのですが、その直後にアトピーがえらいもんに悪化したのは、やはりストレスのせいでしょうか。
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 薬がまったく効かなくて、昼間はそれほどでもないのですが、夜になると痒くて眠れない。夜眠れないので昼間眠くて仕事ができない。眠れないほど痒くても、起きて何かしていれば、痒みはどうにか耐えられる。
 そんなわけで昼夜を逆転させたのですが、本来完全に朝型人間なので、睡眠時間はきちんと確保できても、起きている間中、頭が「ぐわーん、ぐわーん、ぐわーん」と鳴り続けている。
 不幸中の幸いは、そんな状態でも執筆が進んだことですね。むしろ、いつも雑念でいっぱいなのが、作品のこと以外なんにも考えられなくなって、かえって集中できたくらい。いや、もうあんなつらいのは御免ですが。
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 そんな苦しみのなかで書き上げた最終話+エピローグを加えた〈ショウ・マスト・ゴー・オン〉シリーズ、一日も早くかたちにして皆様の元に届けられればいいのですが……一人でも多くの方の御要望があれば一日でも早くなる、かもしれないので、皆様よろしくお願いいたします、とか言ってみたりする(どうなんでしょう、うーん)。
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 ちなみにアトピーのほうは、脱稿後に病院を変えたら薬を変えてもらって、わりとあっさり改善しました。今では朝は5時に起きて、夜は遅くても11時には寝ています。早寝早起きって素晴らしい。

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シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム

 おもしろかったが、前作に比べて構成やカメラワークが凝り過ぎで、少々煩雑に過ぎる。前作に比べて原作に直接拠ってる部分も少ないしな。

 そして前作にまして女の扱いがぞんざいだ……前作のヒロイン、アイリーン・アドラーもワトソンの新妻もあっさり途中退場させられ(退場のさせられ方はそれぞれだが)、唯一の女性キャラとなるジプシーの占い師も、「そこにいるだけ」だし。
 そもそも原作も女っ気がないんだが、ガイ・リッチーの場合は原作に忠実なんじゃなくて、単に女を扱えないだけ。ガイ・リッチーやその周辺の犯罪映画(というよりちんぴら映画)を撮るイギリス人たちの女の扱えなさって、なんなんだろうね。イギリスらしいっちゃらしいが、あんたら昔の少年漫画家(特にジャンプ系)か。

 一番すばらしかったのは武器工場のシーン。大砲が作動するとことか丁寧に撮られていて大変楽しかった。

前作感想

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リンカーン

 2時間30分、議会工作に終始して、合間に家庭の不和が差し挟まれる、というスピルバーグ以外だったら誰も映画にしようとすら思わない話。いや、おもしろくはあったんだけど、これで2時間30分も観客を付き合わせるって、スピルバーグじゃなきゃできないよな、いろんな意味で。

 ダニエル・デイ・ルイスの演技は、もはや非人間な域に達している。トミー・リー・ジョーンズはいつもどおり巧い。ジェームズ・スペイダーは「美形俳優」だった頃にはまったく興味を持てなかったんだが、すっかり太ったおっさんとなって登場。悪趣味な服で裏工作に奔走する。いや、若い頃よりずっと好きだ。別に太ったおっさんが好きなわけじゃないけど。

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ハンティング・パーティ

 戦場リポーターのリチャード・ギアと戦場カメラマンのキューバ・グッティングJrの活躍から物語は始まる。一線で活躍していた彼らだったが、ボスニアの戦場で生中継中にリポーターが「キレて」しまい、以来、リポーターは転落に転落を重ねた挙句に消息不明、一方、カメラマンは栄達してスタジオで安寧な日々を送る。
 それから数年、ボスニアの平和式典の取材に赴いたカメラマンの前に、かつての相棒が忽然と姿を現す。そして、逃亡中の大物戦犯の居場所を突き止めたのでインタビューを試みるから付き合え、と持ちかける。

 リチャード・ギアの尾羽打ち枯らしぶりが大変素晴らしい。こういう役とか『シカゴ』の時みたいな役をもっとやってほしいものである。以下、ネタバレ注意。

 落ちぶれたリチャード・ギアの無軌道ぶりがボスニアの無秩序ぶりと相まってるし、グッティングJrとの掛け合いもいいんだが、戦争犯罪がほんの一握り(あるいはたった一人)の巨悪の責任で、そいつさえ片付ければたいがいのことは片付く、という考えには呆れるしかないし、破綻した行動の裏には実は悲劇が、という陳腐さもどうにかしてほしい。
 せめて、「ここから先は現代の神話」というナレーションで終わらせられなかったのか。あそこから先は蛇足以外の何ものでもない。字幕で「神話」となってたのが、原語でもmythだったのかは確認し損ねたが、もしそうならmythには「作り話」の意味もあるんだけどね(そこまで考えたわけじゃあるまい)。

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バトル・オブ・フロントライン

 第一次大戦の塹壕戦を描いた群像劇。低予算だがB級ではなく、地味だが真面目に作っている映画。真面目といっても、全体にかなりきついブラックユーモアが効いている。

 役者もみんな無名で、特に突出した個性というのもないんだけど、それなりに味のある演技をする人が多く、アメリカの俳優の層の厚さに改めて感心させられる。

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パソコンが壊れました

 3月くらいから調子が悪くなってたのを騙し騙し使ってたのですが、先日、脱稿した翌日に完全に「ダメだこりゃ」な状態に。

 ぎりぎりまでよく頑張ってくれたね……そもそも壊れないでくれたら、もっとよかったけど。

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