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ヒューゴの不思議な発明

 マーティン・スコセッシはこういうのも撮るんです、という映画。

 孤児のヒューゴはパリの駅で時計のネジを巻く仕事に従事している。元はこの仕事は唯一の身内であった飲んだくれの伯父のものだったのだが、彼が蒸発してしまったため、孤児院に入れられるのを恐れるヒューゴは伯父の代わりを務めているのである。
 駅にたむろする浮浪児に目を光らせる鉄道公安官をやり過ごしつつ孤独な日々を送るヒューゴの唯一の慰めは、父が遺した古い自動人形を修理すること。そのための部品をおもちゃ屋から盗んでいたのだが、ある日、店の主人に捕まり、父のノートを取り上げられてしまう。

 原作は未読だが、どうもいろいろとはしょってるっぽい。伯父の代わりに仕事をするのはいいとして給料の受け取りはどうなってるんだとか、取り上げられたノートが父の形見だと素直に言えばすぐ返してもらえただろうに、なぜああも黙秘するんだとか、場面と場面が巧く繋がってない感じとか。

 それはともかく、最初のほうは少々だれるが、中盤、自動人形とおもちゃ屋の主人との繋がりが見えてきて、『月世界旅行』のジョルジュ・メリエスの話になってくるとかなりおもしろい。
 おもちゃ屋の主人がベン・キングスレー、その養女がクロエ・グレース・モレッツ、鉄道公安官がサシャ・バロン・コーエン。
 バロン・コーエンはこれまで観た中で一番まともな役で、これまで観た中で一番感じが良い(これまで観たもの:『スウィーニー・トッド』『ボラット』『レ・ミゼラブル』)。ところで、この人のいとこは心理学者のサイモン・バロン・コーエンだそうである。へー。まあ本人も、いかにもインテリというか高学歴者っぽいからね(実際ケンブリッジ出だし)。役者としてだけならまだしも、自分で考えたネタの滑り具合が、実に高学歴者特有な感じである。
 
 映画史研究者の子供時代役でほんの数分出ていた子が、見覚えあると思ったら『ダーク・シャドウ』と『リンカーン』に出てた子だ。セリフも動きもほとんどない役なんだが、随分と巧い。表情だけならヒューゴ役の子より巧いかもしれない。本作は製作がジョニー・デップだから、その縁で『ダーク・シャドウ』にも出たのかな。
 しかし本作では結構可愛いのに、『ダーク・シャドウ』『リンカーン』と成長していくにしたがって、あんまり可愛くなくなるんだな。
 
『ボラット』感想

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