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ロード・オブ・ザ・クエスト

 ゆるいファンタジーが観たかったのである。すみません、ちょっと疲れてます。
 というわけで、その条件に当てはまりそうなものを借りる。

 西洋中世風の異世界のある王国に、絵に描いたような、というか、絵でもここまで描かんだろうという賢兄愚弟の王子二人がいるのだが、兄の結婚式に花嫁が邪悪な魔法使いにさらわれてしまう。
 当然、兄は花嫁救出に向かうが、弟のろくでなしぶりに業を煮やした父王が、兄を手助けするか国を追放されるか選べ、と迫るので、弟も仕方なく一緒に付いていくことになるのであった。
 
 弟王子がダニー・マクブライド、兄王子がジェームズ・フランコ、さらわれた花嫁がゾーイ・デシャネル、旅の途中で王子たちが出会う女戦士が『ブラックスワン』でレベルアップしてゆるい演技もできるようになったナタリー・ポートマン。
 なんの捻りもない、王道というより単に陳腐で凡庸なファンタジーの枠組の中で、上記の豪華なキャストがダニー・マクブライドを中心に、主に下ネタからなるゆるいギャグを延々と繰り広げる、という(だけの)作品。ファンタジーのお約束を忠実になぞっているのだが(『ロード・オブ・ザ・リング』以来、異世界ファンタジー映画ではお約束となった、「ニュージーランドの雄大な山野を歩くパーティーを空撮」も含めて)、別にパロディを意図しているわけでもない、というところもまたゆるい。

 それにしてもジェームズ・フランコは長髪が似合わんな。中世(風)世界の人物というより、80年代の安いロックバンドのメンバーみたいだ(衣装が革と金属だからまた)。

 以下、ネタバレ注意。

 駄目弟王子が冒険を通じて人間的に成長し、彼を冷たくあしらっていた女戦士の心を射止める、という展開もまたお約束どおりなのだが、成長したと言っても、徹底的な駄目人間が普通程度になったというだけなので、終盤でナタリー・ポートマンが「あなたのことが忘れられなくて」とか言い出すのが唐突にも程があるのであった。それもゆるさのうちではあるのだが、それだけに、でも二人が結ばれるには、また一つ冒険を乗り越えないとね、というオチは結構気に入った。本作中、唯一の捻りである。

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