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ホビット2

 冒頭、ブリー村のシーンで『ロード・オブ・ザ・リング』とまったく同じ場所、同じタイミング、同じ演技でピーター・ジャクソンがカメオ出演する。体型まで同じなのはファットスーツを着込んだからではなくリバウンドしたからだが、この男のことだから、わざわざこのカメオ出演のためだけに体型を戻した可能性も無きにしも非ず(一説によれば、というか『映画秘宝』情報によると、胃を切ってまで痩せたのも『キングコング』で戦闘機に乗り込むためだったという)。

 私が『ホビットの冒険』を読んだのは中学生の時で、すでに早川から出ている海外や国産のファンタジーを読むようになっていたので、この子供向けファンタジーはあまり印象に残っていない(冒頭部分とゴグリ=ゴラムとの謎かけ場面以外、ほとんど憶えていない)。『指輪物語』に至っては、高校時代に手を出したものの、当時ブームの異世界ファンタジーにすっかり毒されていたため、あのテンポと独特の訳についていけず、挫折した。再挑戦して読破したのは、映画第二作の後である。
 いや、『ロード・オブ・ザ・リング』一作目、あんまりおもしろいと思わなかったんだよね。原作読んだ上で改めて再鑑賞すると、むしろ一作目のややゆっくりしたテンポのほうが、尺が足りません、な二作目以降よりいいんだが。二作目以降はいろいろ切り詰めすぎだ。

 長大な原作を切り詰めざるを得なかった前三部作に対し、『ホビット』はいろいろと補完されている。単なる水増しではなく『指輪』と『シリマリル』からの補完なので、原作ファンを納得させるものらしい。
 上述のとおり私は中つ国には別段思い入れはないので、補完部分については、まあいいんじゃないんでしょうか、という程度なものだが、『ロード』第一作では、原作未読だった私の目にすらリヴ・タイラーの登場は取って付けたように映ったからな。

『ホビット1』の時は、イアン・マッケランやケイト・ブランシェットの老いが目についたが(ヒューゴ・ウィーヴィングはそれほどでもなく、クリストファー・リーにいたっては全然だったが)、今回はオーランド・ブルームに時の流れを感じるな。
 いや、老けたとかそういうんではなく(少々顔が四角くなったくらい)、演技力がね。『ロード』の時は薄っぺらかったからな。

 まあとにかく転がるように話が進み、3時間が長く感じない。ギジェルモ・デル・トロ版『ホビット』が観られなかったのは残念だが、前三部作からの繋がりを考えたら、やっぱりピーター・ジャクソンでよかったか。

『ホビット1』感想

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