お知らせ二つ
其の一
来月5月4日(日)と5日(月)、SFセミナー2014が開催されます。その本会(昼の部)の企画に出演することになりました。
企画タイトル
「世界内戦」下、SFに何ができるか
進行は『「世界内戦」とわずかな希望』の岡和田晃氏。えーと、企画紹介によると『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』発売を記念して、とのことですが、ほかの方も出演なさいますので、興味深いパネルになるのではないかと。
現在のところ、出演が決まっている方は『ゴースト・オブ・ユートピア』の樺山三英氏です(ほかの方も参加されるかもしれません)。
時間は13:00~14:00です。ほかの企画もいろいろおもしろそうなので、皆様、ぜひ御来場ください。
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其のニ
というわけで、その『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』、いよいよ来週4月24日(木)発売です。ハヤカワSFシリーズ〈Jコレクション〉の一冊になります。
収録作品は以下のとおり。
「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」
「はじまりと終わりの世界樹」
「The Show Must Go On!」
「The Show Must Go On, and…」
「…’STORY’ Never Ends!」
連作としてのタイトルは〈ショウ・マスト・ゴー・オン〉ですが、本のタイトルとしては「わかりにくい」ということで『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』となりました。でも英語タイトルは、’The Show Must Go On’にしてもらえましたよ。
デビュー以来書き続けてきたHISTORIAシリーズの世界を舞台にした連作です。『グアルディア』『ラ・イストリア』『ミカイールの階梯』のいずれもが文明崩壊後の遠未来を舞台にしているのに対し、今回の連作はすべて「崩壊前」が舞台です。
なので、これまでとはまた趣の違うものとなっています。
HISTORIAシリーズの個々の作品は独立していることが大原則で、それはこの連作集にも当てはまります(つまり早い話が、前の作品を読んでなくても大丈夫)。
連作の各作品について言うと、『SFマガジン』掲載の「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」「はじまりと終わりの世界樹」「The Show Must Go On!」の三話はそれぞれ独立して読めますが、書き下ろしの「The Show Must Go On, and…」「…’STORY’ Never Ends!」はタイトルからお解りのように、「The Show Must Go On!」と話が直接繋がった続編です。
独立した物語ではあるのですが、この連作はこれまで張ってきた伏線がいろいろと回収されていますので、シリーズ旧作を読んでくださった方々は、その角度からも楽しんでいただけるようになっています。
この連作集の刊行は、昨夏予定だったのが諸般の事情により無期延期となっていました。多くの方々の御尽力・御助力によって、こうして一年と経たないうちに日の目を見ることができるようになりました。本当に幸せなことです。どれだけ感謝しても足りません。
ところで、「諸般の事情」というのは一言で言うと「出版不況」でありまして、私の本は出せても出版不況自体は何も解決していないわけで、困ったことです。どないかならないものですかね。
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