テッド
1985年、くまのぬいぐるみテッドが唯一の友達という8歳の少年が、テッドに命を与えてください、と祈ると、その願いが叶ってしまう。
27年後、少年はレンタカー・ショップの店員に、テッドは愛らしいぬいぐるみの外見のまま、中身(と声)は無職のダメ男となっており、二人で酒を飲み、マリファナを吸引し、『フラッシュ・ゴードン』を飽くことなく繰り返し鑑賞するという日々を送っている。
まず、過去パートが実によくできていて感心した。ファッションやら大道具小道具やらが80年代というだけでなく、子供を含めた役者の容姿や、黄色がかった映像まで80年代映画風なのである。
そしてくまのぬいぐるみとマーク・ウォルバーグの外見をした二人のダメ男の生態を描く現代パートも、陽光が降り注ぐ公園や並木が続く歩道の映像が妙に美しかったりする。テッドが中身も声も下品なおっさんそのものなのに、仕草はいかにもぬいぐるみっぽく愛らしい(腰を振っていてさえ)のは卑怯であろう。
お蔭でダメ男同士の友情とほんのちょっぴりの成長の物語にすぎないものが、ずいぶんと感動的に仕上がっているのである。
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