モスキート・コースト
ハリソン・フォードが手前勝手の極みといった親父の役なのだが、憎むべき暴君というよりはむしろ憐れを誘う社会不適合者である。この人、演技巧かったんだなあ。
ハーヴァード中退の発明家から始まって、ジャングルの開拓者、ビーチ・コーマー、漂流者へとどこまでも落ちぶれていく彼に、ヘレン・ミレン演じる妻がどこまでも付いていこうとするのも、やはり同情ゆえだろう。でも子供の立場だったら、やっぱり殺したくなると思う。
80年代の映画はあまり観ていないので、リヴァー・フェニックスは『スタンド・バイ・ミー』しか観たことがなかった。あれで特に際立ってるとは思わなかったのは、たぶん主役の子も巧いからだろう。今回初めて、なるほど天才子役と呼ばれただけのことはあると納得。
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